文章から必要な情報を取り出す分析手法「テキストマイニング」とは
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2022.10.24
テキストマイニングという言葉を聞いたことがあるでしょうか。テキストマイニングは文章から有益な情報を探し出す方法で、アンケートだけでなくSNSの分析にも用いられています。
機械学習の技術の発展により、ビッグデータ解析ができるようになりました。そのため多くの分野でテキストマイニングが活用されているのです。ここではテキストマイニングで使われる分析手法だけでなく、その活用方法についても解説します。
テキストマイニングとは
テキストマイニングとは、文章を分析して、そこから必要な情報を取り出す手法のことです。機械学習の技術が進歩したことにより、大量のデータから必要な情報を取り出すことが可能になりました。
そのため、アンケートや社内の文章からデータを取得するだけでなく、SNSのデータからも必要な情報を取り出せるようになっています。そのデータに基づいて、サービスを改善したり、新しいサービスを作り出したりすることに役立てています。
テキストマイニングで使われる分析手法
テキストマイニングで使われる分析手法は多くありますが、ここではその中から7つの方法について説明します。
形態素解析
形態素分析とは、文章を言葉の最小単位である品詞に分解して、意味を解釈する方法です。たとえば以下のように分解して解釈します。
今日(名詞)/、私(名詞)/は(助詞)/学校(名詞)/へ(助詞)/行く(動詞)
こちらの分析手法は、テキストマイニングの基本の手法となります。
構文解析
構文解析とは、日本語で言えば、文節に分けて、文節と文節の関係を解釈する方法です。主語・述語の関係や、修飾・被修飾の関係など、コンピュータが解析します。機械学習によってデータを解釈すればするほど、正確な構文解析ができるようになります。
クラスター分析
クラスター解析とは、単語の関連性の強さによってグループ分けする方法です。あらかじめ設定した基準によってグループ分けすることで、有用な情報かどうかの判断が素早くできるようになります。
頻度解析
頻度解析は、文章内に特定の単語や構文が出現する回数に関して、分析する手法です。先ほどの形態素分析で言えば、文章内の単語の数を分析します。構文解析では、特定の名詞とどの形容詞が結びついているかの分析をしていきます。
そのデータを元に、顧客が何を求めているのか理解できるようになるわけです。頻度解析は暗号解読の分野で使われていることがよく知られています。
センチメント分析
センチメント分析は文章やSNSの投稿から感情を分析する手法です。テキスト内にポジティブな感情が多いのか、ネガティブな感情が多いのかを分析することで、サービスや商品に対する評価がわかるというわけです。また時系列でコメントがどのように変化したかも分析できます。
対応分析
対応分析はデータの項目同士の関係を散文図で視覚的に把握する手法です。一般的にアンケート結果の分析はクロス集計が用いられますが、項目が増えると分析がしにくいというデメリットがあります。
その場合に対応分析をすることで、視覚的に結果を把握ができるため、項目ごとの関係がわかりやすくなるわけです。
主成分分析
主成分分析は、すべての項目のデータを対象にするのではなく、少数の項目のみに注目して分析する手法です。ビックデータなどの量が多いデータ分析に用いられます。少数の項目に限定したり、複数の項目をひとつに合成して解釈することで、大まかな傾向が可視化できるというメリットがあるわけです。
ただし、どの項目を対象にするのかが重要な問題であり、取り扱わなかったデータの方に重要な部分があったということもあり得ます。そのため、主成分分析を行う際には、十分な注意が必要です。
テキストマイニングを活用する領域
テキストマイニングを活用する代表的な領域としては、以下の4つが考えられます。
アンケートの分析
テキストマイニングが活用されている分野として、アンケートの分析があります。セミナーなどで実施したアンケートをテキストマイニングで分析することで、参加者のニーズがとらえられます。また膨大な量のアンケートを集計・分析することで、サービスや商品の改善に生かすことが可能になるわけです。
コールセンターのテキスト分析
コールセンターのテキスト分析においても、テキストマイニングが活用されています。コールセンターではまず顧客の声をテキストデータ化します。その上でそのテキスト分析し、顧客の不満やよくある質問などをまとめるわけです。
その結果をサービスや商品の改善に生かしていきます。またテキストマイニングで分析した結果、多い質問事項については、FAQという形でホームページに掲載するのが一般的です。そうすることで問い合わせそのものも減ります。
口コミやSNSの投稿の分析
口コミやSNSの投稿の分析においても、テキストマイニングは使われます。どのような口コミや投稿が多いのか、人力では集計するのが難しいというのが実情です。しかし、こうした口コミやSNSの投稿は、サービスや商品の売り上げに大きく影響を与えるのは確かです。
そこでテキストマイニングを使って、口コミやSNSを分析し、どのような点に不満を持っているのかの傾向を掴みます。その結果をサービスや商品の改善に役立てます。そうすることで売上アップにもつながるというわけです。
チャットボット
チャットボットは、あらかじめ回答する内容が準備されています。そのため、データベースに存在しない質問に対して回答できません。その回答できなかった質問をテキストマイニングで分析し、チャットボットのデータベースを改善していくことが可能となるわけです。
テキストマイニングの活用手順
テキストマイニングは以下のように活用していきます。
1.データを集めて処理する
まずはテキストマイニングに必要なデータを集めなければなりません。メールやウェブページなどから必要な情報を集めましょう。情報を集めたら、それを分析するための構造化データに変換していきます。どのような構造化データにするかは目的によって変わるので、利用目的を明確にしておきましょう。
2.データを分析して可視化する
次にデータを分析します。分析結果は誰でも傾向やパターンがわかるように可視化していきます。
3.分析結果を共有する
分析して可視化した後は、社内で共有しなければなりません。分析結果を組織内で活用できるように、データの共有方法の見直しを行いましょう。また分析結果に基づいて意思決定が行われなければ意味がありません。データを使った意思決定をするように、社内プロセスの見直しも必要です。
そうした見直しを行うことで、データに基づいた施策や企画が立てられるようになります。
テキストマイニングを活用する際の注意点
テキストマイニングを活用する際には、以下の3つの点に注意して行う必要があります。
テキストマイニング導入の目的をはっきりさせる
テキストマイニングを何のために導入するのか、その目的をはっきりさせる必要があります。ただテキストを分析するだけでは、それを生かせません。そもそも、どのような課題が自社に存在するのか明確化します。そのうえでテキストマイニングの導入で、その課題が改善できるのかを考えましょう。
分析結果で満足しない
テキストマイニングは分析することが目的ではありません。分析結果をもとにサービスや商品の改善をしていかなければなりません。分析結果から解決策や改善策を考え、サービスや商品を改善する仕組みづくりが必要になるわけです。
ただし1回で終わりではありません。こうしたサイクルを繰り返すことで、よりよいサービスや商品が提供できるようになるはずです。分析結果をどのようにサービスや商品の改善に活かしていくか、その仕組みを社内でしっかりと作っていきましょう。
担当者が必要
テキストマイニングそのものはツールが行ってくれますが、データの抽出や言葉の選び方などは担当者が行わなければなりません。そのため、担当者になる人材を育成する必要があるわけです。テキストマイニングを継続的に実施できる担当者を育成していきましょう。
テキストマイニングの導入で顧客の疑問や不満の改善を!
テキストマイニングの分析結果を活用することで、サービスや商品が改善できます。顧客の疑問や不満を改善することは、売上アップにも繋がります。顧客の不満や疑問をうまく商品やサービスの改善に生かせていないと感じている企業は、テキストマイニングの導入がオススメです。
テキストマイニングを行うためにはツールが必要です。さまざまなツールが販売されていますので、自社の目的と費用にあったツールを選んで導入しましょう。
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