リテンションとアクイジションとは?リテンションマーケティングを成功させるポイントを解説

デジタルマーケティング

2023.01.11

リテンションとアクイジションとは?リテンションマーケティングを成功させるポイントを解説

マーケティングの中で、リテンションとアクイジションという考え方があります。どちらもサブスクリプション型のビジネスにおいて重要な考え方です。そこでこの記事では、リテンションとアクイジションの意味、とくに注目されているリテンションマーケティングについて詳しく解説します。

リテンションとは

リテンションは、リテンションマーケティングとして使われることが多く、既存顧客との関係を深めて維持するための手法です。サブスクリプション型のビジネスにおいては、解約をされずに、長期的に契約してもらうことで初めて売り上げが上がっていきます。そのためリテンションマーケティングが重要だと言われているわけです。

アクイジションとは

アクイジションは新規顧客を獲得するマーケティング手法の1つです。新規顧客を獲得することで売上アップが望めるのは間違いありませんが、新規顧客を獲得するためには、既存顧客の売上を得るコストよりも5倍かかると言われています。

そのため新規顧客の獲得よりも、既存顧客との関係を深めていくリテンションマーケティングが重視される傾向にあるわけです。

リテンションマーケティングのメリット

リテンションマーケティングには、4つのメリットがあります。

LTVの向上

LTVとは、顧客生涯価値のことをいい、顧客1人がサービスを使うことで得られる利益のことをいいます。新規顧客を獲得するよりも、既存顧客との関係性を構築した方が、コストがかからないと言われています。そのため、既存顧客との関係性を深め、LTVを向上させることは、企業にとって売上を上げるための有効な手段になっているわけです。

休眠顧客の掘り起こしが可能

リテンションマーケティングを行うことで、休眠顧客の掘り起こしも可能です。しばらく取引のない顧客に自社のサービスや商品をアピールすることで、再び利用してもらえるようになる可能性が高まります。そのために定期的にキャンペーンや特典をつけるようにして、コミュニケーションを取る必要があります。

優良顧客の育成で新規顧客獲得にも有効

リテンションマーケティングは、既存顧客獲得だけでなく、新規顧客獲得にも役立ちます。直接リテンションマーケティングが新規顧客獲得につながるわけではなく、優良顧客が口コミなどで高評価を書くことで、結果として新規顧客獲得につながるという流れです。

口コミは非常に重要な集客ツールとなっており、優良顧客をいかに育てるか、企業が重視している理由となっています。

サービスや商品の改善に活用できる

リテンションマーケティングは、既存顧客とのコミュニケーションを取るため、サービスや商品の改善点について把握することも可能です。そうした意見は非常に重要で、今後のサービスや商品の改善だけでなく、新商品の開発にも役立ちます。

リテンションマーケティングの手法

リテンションマーケティングの手法としては以下のものが考えられます。

メルマガ

SNSが主流となっている中で、メールはあまり見ないと思われがちですが、今でもメルマガ配信は効果があります。リテンションマーケティングにおけるメルマガの内容としては、製品やサービスの機能や使い方の情報、さらには割引クーポンやキャンペーン情報です。

ただ読まれないメルマガを配信し続けても意味がありません。どうすれば読まれるようになるのか検討する必要があります。とくにタイトルは重要なので、開封したくなるように工夫しましょう。メルマガ配信にはツールが必須です。メルマガ配信のみに特化したものもあれば、顧客管理ができるものもあります。自社にあったサービスを検討してください。

レコメンド

ECサイトを利用していると、オススメ商品が表示されることもあると思います。それがリコメンド機能です。リコメンド機能は、顧客の購買履歴や閲覧履歴をもとに表示されます。レコメンド機能を活用することで、商品を購入してもらえる可能性が高まり、購入単価や顧客単価が上がります。

SNS

最近では、SNSでキャンペーンや特典の告知、新商品の紹介をする企業が増えています。SNSは無料で利用できるツールなので、うまく活用すればその効果は絶大です。また、SNSの場合、双方向でのやりとりが可能です。

SNSで商品やサービスに対するコメントを残しているユーザーに対してコメントを返すことで、良い関係性を築けます。

プッシュ通知

スマホの画面上に、アプリからの連絡が表示されることがありますよね。それがプッシュ通知です。アプリをダウンロードしたものの、使用する頻度が低いという方も多いです。そうした休眠顧客に対して、プッシュ通知をすることで、再びサービスを利用してもらえる可能性が高まります。

ただし、プッシュ通知の場合、プッシュ通知機能をオンにしていない限り、メッセージが届かないというデメリットがあります。そのためプッシュ通知をオンにしてもらうような取り組みも必要です。

リテンション広告

リテンション広告とはアプリを使い続けてもらう、もしくは今使っていないユーザーに対してもう一度アプリを使ってもらうように促す広告のことをいいます。具体的には、ウェブサイトや動画、SNSに広告を表示。休眠顧客にアプローチしていきます。

セミナーやイベント

セミナーやイベントは重要な施策の1つです。商品やサービスに興味のあるユーザーが参加するため、ロイヤルカスタマー育成に寄与する可能性が高まります。セミナーやイベント後のユーザー交流会なども行われており、参加者同士の交流ができるのも大きな特徴です。

ただし、最近ではオンラインでのイベントやセミナーも増えてきているため、休眠顧客というよりも、情報を得たいという参加者が多いです。そこからいかに顧客化するかが重要なポイントになってくるでしょう。

カスタマーサポート

カスタマーサポートはリテンションマーケティングにおいて、重要な役割を担っています。理由としては、顧客からの質問や問い合わせを最初に受ける窓口になるからです。カスタマーサポートの対応がしっかりとしていれば、商品やサービスを継続的に利用してもらえる可能性が高まります。

最近では問い合わせフォームから連絡する形だけでなく、チャットやLINEで問い合わせができるケースも増えています。またカスタマーサポートで顧客の声を収集し、サービスの改善や新しいサービスに生かすのも可能です。

カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは、カスタマーサポートと違い、企業側から積極的に顧客にアプローチする方法です。定期的に顧客との関係を持ち、能動的に顧客を支援していきます。データに基づいて、顧客の課題を解決するサポートをします。

リテンションマーケティングを成功させるポイント

リテンションマーケティングを成功させるポイントとしては5つあります。

データに基づいて顧客の分類したり分析したりする

リテンションマーケティングは、データ分析を適切に行い、顧客についてよく知る必要があります。顧客を知るためには、顧客のデータをもとに分類・分析していかなければなりません。顧客の属性によって、どのような商品やサービスを購入しているのか、そのデータを分析することで、共通点がわかります。そのため各顧客に合ったアプローチの仕方を考えられるわけです。

目標を明確にする

リテンションマーケティングで顧客との関係を維持していきたいといっても、目標値は決定しておかなければなりません。たとえばサブスクリプションのサービスっていえば、「継続率〇%」とか、休眠顧客に再びサービスや商品を利用してもらえる割合を「〇%に設定する」などが考えられます。

目標を明確にしないと、ただ顧客へアプローチしているだけになってしまいます。明確な目標を立てて、リテンションマーケティングを実施するようにしましょう。

各顧客に適したアプローチを行う

リテンションマーケティングは、各顧客に適したアプローチを行う必要があります。すべての顧客に同じアプローチをしても効果がありません。顧客を分類・分析した結果、どのような特徴があるかわかれば、クーポンの配布のタイミングや、割引情報の連絡など適切なタイミングで行えるでしょう。

よく用いられる指標はRFM分析です。R(直近の購入日)、F(購入頻度)、M(購入金額)に基づいて、顧客を分類してアプローチしましょう。また同じキャンペーンであっても、顧客の属性によってメールの文面を変える必要があります。各顧客の特徴に合わせた文面を考え、アプローチしていきましょう。

PDCAをしっかりと行う

リテンションマーケティングは同じことを繰り返しているだけではダメです。施策を実施した後は、必ずその効果を検証しなければなりません。もし効果がなければ改善策を考えて再び実施します。常にデータを見ながらPDCAを繰り返していきましょう。

ツールを導入する

リテンションマーケティングを成功させるためにはツールの導入が必須です。もちろんExcelなどでも可能ですが、手間も掛かりますし、専門的な知識も必要になるため難しい企業が多いでしょう。ツールとしては顧客関係管理支援ツール(CRM支援ツール)を導入するのが一般的です。

CRM支援ツールを導入すれば、データの収集だけでなく、分析や管理が可能です。専門的な知識が不足していても使うことが可能で、データを数値化して把握したい場合には、オススメのツールとなります。ただしCRMツールは導入にも運用にも費用がかかります。そのため自社の要望に合ったツールを導入するように比較・検討した上で導入しましょう。

リテンションマーケティングが売上アップの鍵!

リテンションマーケティングは、とくにサブスクリクション型のビジネスで重要な施策の1つです。「良いものを作れば必ず売れる」という時代では無くなった中で、いかに自社の商品やサービスのファンを作れるか、リテンションマーケティングの成否にかかっています。

これからリテンションマーケティングを行おうと考えている担当者の方は、しっかりと目標を立て、ツールを導入して数値の分析をしながら行うようにしましょう。

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