MMM(マーケティングミックスモデリング)とは?その特徴と手順について解説

デジタルマーケティング

2023.11.14

MMM(マーケティングミックスモデリング)とは?その特徴と手順について解説

MMM(マーケティングミックスモデリング)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。近年、多くの企業で取り入れられており、統計的手法を用いて、マーケティング施策がどれくらい成果に影響を与えているかを測る方法です。

そこでこの記事ではMMMの特徴だけでなく、その手順、さらには実施する際の注意点について解説します。

MMM(マーケティングミックスモデリング)とは

マーケティングミックスモデリング(MMM)とは、マーケティング活動の効果について、統計を使って分析するための手法です。具体的には、企業が行った「広告」「販促活動」「価格設定」「商品開発」などのマーケティング施策が、どれだけ売上や利益に貢献したかを評価します。

MMMの特徴は、統計的な手法を用いてデータを分析し、マーケティング施策の効果を客観的に評価する点です。これにより、企業はどの施策が効果的であり、どの施策を見直すべきかを把握できます。

ビックデータを活用できるようになり、MMMがマーケティング施策の最適化の手法として、あらためて注目されているわけです。

MMM(マーケティングミックスモデリング)の特徴

MMMの特徴の一つは、統計データを使用して客観的な分析を行うことです。広告費やプロモーション費など、マーケティングに関わるさまざまな要素を数値化し、その影響を評価します。これにより、どの要素が売上や利益に最も影響を与えているのかを明確にできます。

またMMMは時間の経過に伴うデータの変化を分析することも可能です。たとえば広告費の増減やプロモーションの実施時期など、マーケティング活動による効果を長期的に追跡できます。

さらにMMMは外部要因を踏まえた分析も可能です。たとえば競合他社のマーケティング戦略や天候などの要因を分析対象に含めることで、より詳細な分析が可能になります。

マーケティングミックスモデリングは、企業が効果的なマーケティング戦略を立てるために重要な手法です。データに基づいた客観的な分析を行い、マーケティング活動の改善や最適化をはかれます。

MMM(マーケティングミックスモデリング)の手順

MMMを実施するには以下の手順で行う必要があります。

分析ロジックを決める

まずMMM分析で使うロジックを決める必要があります。分析ロジックには、「重回帰分析」「パス解析」「共分散構造分析」がありますが、いずれかの手法を採用します。どの分析が適切か、目的に合わせて使い分けなければなりません。

内部要因と成果に関係する外部要因をリストアップする

MMMでは、内部要因と外部要因の2つの要素が重要です。内部要因は、企業が直接コントロールできる要素であり、たとえば広告費や販促活動などが含まれます。これらの要因は、企業のマーケティング戦略によって変更できます。

一方、外部要因は、企業が直接コントロールできない要素であり、市場環境や競合他社の活動などです。これらの要因は、企業のマーケティング活動に影響を与える可能性がありますが、企業自体が変更することはできません。

MMMの手順は、まず内部要因と外部要因をリストアップし、それぞれの要因が売上や利益などの成果にどのように関連しているかを分析します。次に各要因の重要度を評価し、最適なマーケティング戦略を策定します。

マーケティングミックスモデリングは、データ分析や統計モデルを使用して行われるため、正確な結果を得るためには十分なデータが必要です。企業は、適切なデータを収集し、専門家のアドバイスを受けながらMMMを実施することが重要になります。

顧客の購買行動のモデル化をする

マーケティングミックスモデリング(MMM)は、企業がマーケティング活動の効果を評価し、最適なマーケティング戦略を立てるために使用される手法です。顧客の購買行動をモデル化することで、企業はどのマーケティング要素が売上に最も影響を与えるのかを把握できます。

この手法では、まず顧客の購買行動に影響を与える要素を特定します。たとえば「広告費」「販促活動」「価格」「競合他社のマーケティング活動」などです。次に、これらの要素と売上の関係を数値化し、統計的なモデルを作成します。そしてこのモデルを用いて、将来の売上を予測したり、異なるマーケティング戦略の効果をシミュレーションしたりすることが可能です。

具体的な例を挙げると、ある飲料メーカーがMMMを用いて広告費の最適な配分を決定できます。この場合、広告費と売上の関係を分析し、広告費の増減による売上への影響を予測します。そして、最も売上に効果的な広告費の配分を見つけられるわけです。

データ収集と分析を行う

データとしては販売数や売上だけでなく、広告や販促活動に関連する情報が収集されます。これには、広告の出稿データや販促活動の実施状況などが含まれます。また競合他社の情報や市場の動向なども考慮しなければなりません。

次に、収集したデータを分析します。これには、統計的な手法やモデルを使用して、マーケティング活動の効果を評価します。具体的には、広告や販促活動の費用対効果や、それらが売上や顧客数に与える影響などです。

MMMではマーケティング活動の要素を「4P」と呼ばれる要素に分類します。これは、「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通経路)」「Promotion(販促)」の4つです。これらの要素がどのように顧客の行動に影響を与えるのかを分析します。

次に、MMMでは過去のデータを活用して分析を行います。たとえば過去の販売データやマーケティング活動の実績などをもとに、各要素が売上や顧客の購買行動に与える影響を数値化するわけです。

分析結果を施策に生かす

MMMの結果をもとに、将来の施策を立案します。たとえば特定のマーケティング活動が売上に与える影響が大きい場合、その活動を強化することが考えられます。

MMMは、マーケティング活動の効果を客観的に評価するための重要な手法です。企業はMMMを活用することで、限られた予算を最大限に活用し、効果的なマーケティング施策を展開できます。

MMM(マーケティングミックスモデリング)を実施する際の注意点

MMMを実施する際には以下の点に注意する必要があります。

MMM(マーケティングミックスモデリング)を活用する目的をはっきりする

MMMを使用する際には、企業が追求する目標を明確にしなければなりません。たとえば売上や利益の増加、顧客の獲得や維持など、具体的な目標を設定します。次に企業が行ったマーケティング活動とその結果をデータとして収集します。

MMMでは、広告費やプロモーション費などのマーケティング費用と、売上や顧客数などの結果との関係を分析しなければなりません。この分析によって、どのマーケティング活動が最も効果的であるかが明らかになります。

具体的な例を挙げると、ある企業が「テレビ広告「「インターネット広告」「SNSプロモーション」などのマーケティング活動を行った場合、MMMを使用してそれぞれの活動の効果を評価できます。たとえばテレビ広告の費用対効果が高かった場合、企業はテレビ広告に予算を重点的に割り当てることが可能です。

MMM(マーケティングミックスモデリング)を内製化できるようにする

多くの企業はこれを外部の専門家に委託しています。しかしこの方法では、企業が自社のデータと洞察を最大限に活用できません。

内製化は、企業がMMMを継続的に活用するための重要なステップです。内製化により、企業は自社のデータをより迅速かつ効果的に分析し、マーケティング戦略の改善に生かせます。

なぜなら企業が自社のデータを直接分析することで、より正確な結果を得られるからです。外部の専門家に依存することなく、企業は自社の独自の洞察に基づいて意思決定を行えます。

また内製化により、企業はMMMの実施にかかるコストを削減することも可能です。外部の専門家に依頼する場合、高額なコンサルティング料が発生する場合がありますが、内製化により、これらのコストを削減できます。

さらに内製化は企業のマーケティング部門との連携を強化することも可能です。企業内でMMMを実施することで、マーケティング部門はより具体的な洞察を得られ、マーケティング戦略の改善に向けた意識を高められます。

したがって、企業がMMMを継続的に活用するためには、内製化が必要不可欠です。内製化により、企業はより効果的なマーケティング戦略を策定し、競争力を強化できます。

MMM(マーケティングミックスモデリング)のモデルの見直しは定期的に行う

マーケティング環境は常に変化しているため、MMMのモデルを定期的に見直す必要があります。なぜなら、消費者行動や競合状況、マーケットトレンドなどの要素が変化することで、過去のデータやモデルが現在の状況と一致しなくなる可能性があるからです。

たとえば新しい競合他社が市場に参入した場合、それによって顧客の購買行動が変化する可能性があります。また新しい広告メディアやプロモーション手法が登場した場合、それらの効果を正確に評価するためには、MMMのモデルを更新しなければなりません。

さらにデジタルマーケティングの進化により、消費者のオムニチャネル行動が増えています。これにより、従来のMMMのモデルだけでは十分な情報を得られなくなってきています。そのため、新たなデータソースや分析手法を取り入れなければなりません。

定期的なMMMモデルの見直しは、企業がマーケティング戦略を最適化し、競争力を維持するために欠かせない活動です。継続的なデータ収集と分析を通じて、最新のマーケティングトレンドに対応し、効果的なマーケティング活動を展開することが重要です。

まとめ

ここではマーケティングミックスについて説明してきました。マーケティングミックスはマーケティングの成果を測るために有効です。マーケティング施策がうまくいっているのかどうかを判断したい場合は、ぜひ実施してみてください。

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