ロイヤルカスタマーを育成する方法とは?事例とオススメツールを紹介
デジタルマーケティング
2022.09.07
ロイヤルカスタマーという言葉をご存知でしょうか。ロイヤルカスタマーを増やしていくことで、売り上げをアップさせるという戦略が重視されています。そこでこの記事では、ロイヤルカスタマーを育成するポイントと成功事例、役立つツールについて紹介します。
ロイヤルカスタマーとは
そもそもロイヤルカスタマーとはどのような意味なのでしょうか。ロイヤルという言葉の意味は忠誠心を表します。そのため英語の意味をそのまま解釈すると、忠誠心が高い消費者となります。
この場合、自社の商品やサービスに忠誠心が高い消費者になりますから、自分の好きな会社の商品やサービスを買うという顧客のことを指していると考えてください。いわゆるファンです。このロイヤルカスタマーは、売上を作る際に、非常に重要な位置を占めています。
ロイヤルカスタマーの特徴としては、商品やサービスのファンであるため繰り返し購入してくれること、他社の商品やサービスを購入しない、知人や友達に商品を勧めてくれるという特徴があります。
優良顧客との違い
ロイヤルカスタマーと似たような言葉として優良顧客という言葉があります。優良顧客とロイヤルカスタマーは似た意味を持っていそうですが、厳密には違います。優良顧客は売り上げに占める割合が多いとしても、自社の商品やサービスに必ずしも愛着を持っているとは限りません。
たとえば安いから購入しているとか、他の商品を探すのが面倒であるなどの理由で選んでいる可能性もあるわけです。そのため優良顧客の場合は、他社の商品やサービスに乗り換えて、購入してしまう可能性が高いのです。
ロイヤルカスタマーは簡単には他社の商品やサービスに乗り換えてしまうことはありませんが、優良顧客は違います。この点がロイヤルカスタマーと優良顧客の大きな違いでしょう。
ロイヤルカスタマーを育成するメリット
ロイヤルカスタマーを育成するメリットとしては、売り上げに長期的に貢献してくれるということがまず挙げられます。自社の商品やサービスのファンになってくれているため、定期的に商品やサービスを購入してくれます。
そのため長期的に売り上げも上がっていくことになるわけです。またロイヤルカスタマーは友人や知人に商品を紹介してくれます。そのため口コミでの新規顧客獲得につながる可能性が高いです。口コミは非常に有効な集客方法です。
コストもかかりませんし、紹介されたい新規顧客が今後ロイヤルカスタマーになってくれる可能性も高くなります。こうしたメリットがあるため、多くの企業がロイヤルカスタマーを育成しようとしています。
ロイヤルカスタマーを育成する方法
ロイヤルカスタマーを育成する前に、自社にとってのロイヤルカスタマーの定義を明確にします。自社にとってどのような顧客がロイヤルカスタマーにあたるのか分析しなければなりません。サブスクリプションのサービスを提供しているのであれば、解約しないでずっとサービスを利用してくれる人がロイヤルカスタマーになります。
新商品やサービスを出せばすぐに購入してくれる人もロイヤルカスタマーになるでしょう。自社にとってどのような顧客がロイヤルカスタマーなのか、明確な定義をしていく必要があるわけです。
ロイヤルカスタマーの定義ができたら、ロイヤルカスタマーを育成する方法について考えます。ロイヤルカスタマーを育成する方法としては、以下の3つが考えられます。
顧客との接点を増やす
顧客との接点を増やすことが非常に大事です。顧客との接点を増やす方法としては、メルマガやSNS、セミナー等の機会が考えられます。最近ではウェビナーを行っている企業も増えており、オンラインで気軽に顧客との接点が持てる手法も増えてきています。
顧客との接点が増えることで、より自社の商品やサービスに愛着を持ってもらえるようになるわけです。
情報発信を定期的に行う
ロイヤルカスタマーを育成するためには、定期的な情報発信が必須です。自社の商品やサービスの情報を提供していきます。ただし単に販促だけのメールであると、ロイヤルカスタマーが逃げてしまう可能性もあります。
そのため顧客にとって有用な情報も含めて発信していかなければなりません。たとえば商品をこのように使えばさらに効果が上がりますとか、使い方の疑問に対して答える内容などが考えられるでしょう。
特別感を持ってもらう
ロイヤルカスタマーを育成するには、特別感を持ってもらうことも大事です。たとえば商品を繰り返し買ってくれる人に、特別な特典をつける方法があります。つまり繰り返し購入することに対して、メリットが生まれるようにするわけです。
具体的にはロイヤルカスタマー用のクーポンを発行したり、特別な会員サイトを作成したりする方法が考えられます。ロイヤルカスタマー限定とすることで、より商品に愛着がわくようになるでしょう。
ロイヤルカスタマー育成の事例
ロイヤルカスタマーの育成事例として代表的なものを3つ挙げておきます。
スターバックス
スターバックスはロイヤリティープログラムとして、スターバックスリワードというサービスを提供しています。スターバックスで商品を購入すると、Starが溜まります。そのStarが一定数溜まると、リワードeチケットに交換できる仕組みです。
54円(税込)あたりStar1つが溜まっていき、最初はGreen Star会員からスタート。Starを250集めるとGold Star会員になれます。Gold Star会員になると、Starを150個集めるごとにリワードeチケットがもらえます。
このようにスターバックスはロイヤルカスタマーに対して、特別なプログラムを用意して、その育成を継続的に行っているわけです。
チューリヒ保険会社
チューリヒ保険会社では「お客様本位の業務運営」を行っており、2021年「対応記録当社「事故初動部門」への評価• /クオリティ格付け」において、事故初動対応部門が最高評価である三つ星を獲得しています。また2021 年損害保険業界「Web サポート」部門でも三ツ星を獲得しており、顧客サービスに力を入れているのがわかります。
さらに顧客の声を受け止める体制として以下の3つを掲げています。
お客さま本位の業務運営方針2021年度取組状況
- 毎月、各事業部門やお客さま相談室などが集まるお客さまの声運営会議で「お客さまの声」を共有し、改善に向けて活動しています。
- 四半期ごとに、マネージメントメンバーで構成されるお客さまの声委員会で、お客さまの声に基づく改善活動を報告する体制にしています。
- マネージメントメンバーが、お客さまとケアスタッフの実際の通話を聞き、商品・サービスの改善やスタッフの育成に生かしています。
また「Consumer Opinion Forum」を2020年1月から継続的に行っており、顧客の意見をサービスや商品に反映する取り組みを行っています。
The Place of Tokyo
The Place of Tokyoは結婚式場を運営するサービスです。結婚式場は多くありますし、基本的には1回きりのことになりますが、The Place of Tokyoはロイヤルカスタマーカードを提供して、いつでも思い出の結婚式場に戻ってこられるようにしています。
また会員制のスカイバーである「tomori TOKYO」を永久会員として利用できるというサービスを提供中です。こうしたサービスを提供することで、数ある結婚式場の中から選ばれ、顧客満足度も高くなっています。
出典:The Place of Tokyoが選ばれる理由
東急グループ
東急でもロイヤルカスタマー向けのサービス「TOKYU ROYAL CLUB」が提供されています。東急ロイヤルクラブでは4つのステージがあり、利用金額に応じてカウントされていきステージが決まります。利用金額が多ければ多いほど、ステージも上がっていき、優待のサービスもランクアップしていく仕組みです。
ナノ・ユニバース
ナノ・ユニバースではロイヤルカスタマーのための受け皿としてECサイトを位置づけています。そのためロイヤルカスタマーの90%が実店舗にも登録しており、一般の顧客の平均と比べて3.5倍の売上金額があるとのことです。
このようにロイヤルカスタマーをECサイトで育成しつつ、実店舗と連動しながら売上を増やしていく戦略がヒットしている状況です。
ロイヤルカスタマーを育成する際に役立つツール
ロイヤルカスタマーを育成するための役に立つツールとしては、主に以下の2つがあります。
CRM
CRMは顧客管理をするシステムで、カスタマー・リレーションシップ・マネジメントの略です。顧客の購入履歴や顧客とのやり取りなど、顧客に関するあらゆる情報を一元管理します。
現在、顧客目線に立ったマーケティングを実施する必要性に迫られており、CRMを使ったマーケティング戦略が重視されています。以前のようによいものを作れば売れるというわけではなく、顧客が必要とする商品やサービスを提供する必要があるわけです。
MA
MAはマーケティング・オートメーションの略で、顧客の情報を記録するだけでなく、最適な情報を最適なタイミングで、自動で配信できるツールです。たとえば新商品の情報をいつどの顧客に流すのか、自動化できます。
顧客によって必要な情報を必要なタイミングで送ることが必要になってきているので、MAを使って自動化している企業が増えているわけです。
ロイヤルカスタマーを育成して売上アップを目指そう!
ここまでロイヤルカスタマーを育成する方法と必要なツールについて述べてきました。商品の差別化が難しい中で、ロイヤルカスタマーを育成することは重要なマーケティング戦略です。そのために必要な戦略を考えて実践していきましょう。
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