ファーストパーティデータとは?その活用法とメリット、注意点とは
デジタルマーケティング
2022.07.25
ファーストパーティデータの活用が叫ばれていますが、なぜファーストパーティデータが重視されるのかよくわからないという方もいるはずです。また中にはファーストパーティデータそのものがどういうものなのかについても知りたい人もいるでしょう。
そこでこの記事ではファーストパーティデータについての説明とその収集方法、さらには活用法についても説明します。
ファーストパーティデータとは
そもそもファーストパーティデータとはどのようなものなのでしょうか。ファーストパーティデータとは、各企業が自社で収集した顧客のデータのことです。顧客の氏名やメールアドレス、電話番号だけでなく、購入履歴等もファーストパーティデータに含まれます。
最近ではSNSでのやりとりのデータをファーストパーティデータに含めている企業もあります。
ファーストパーティデータはなぜ重視されるのか
ファーストパーティーデータがなぜ重視されるかというと、自社のデータなので必要以上のコストをかけずに収集可能だというメリットがあるからです。また近年、プライバシーの問題でデータ収集は難しくなっており、その点自社のデーターであればプライバシーリスクが少ないという点も大きなメリットになります。
さらに自社のデータであれば、そのデータが信頼できるデータであると確信を持って使用できる点も大きいです。
ファーストパーティデータは顧客ニーズの把握に大変便利です。顧客ニーズを把握することで広告をはじめ、集客にも役立てられます。
ファーストパーティデータの活用は、今までの勘に頼った経営を改善する糸口にもなります。データを見ると、今まで当然として考えていたものが大きく違うということもあるのです。データを活用することで、業務効率化も測れるでしょう。
そのため多くの企業がデータを活用した「データドリブン」経営をはじめているわけです。
ゼロパーティデータ、セカンドパーティデータ、サードパーティデータとどう違うのか
データ活用といった場合、ファーストパーティデータだけがデータではありません。他にもゼロパーティデータ、セカンドパーティデータ、サードパーティデータと3つあります。ここではそれぞれの特徴について説明します。
・ゼロパーティデータ
最近言われるようになったのがゼロパーティデータです。ゼロパーティデータとは、顧客が意図的に企業に対して提供しているデータのことです。顧客の趣味や購買行動に対するもので、企業に顧客自身の意思を知ってもらうために提供しています。
こちらもファーストパーティデータ同様、重要なデータとなっています。
・セカンドパーティデータ
セカンドパーティデータとは、他社が保有しているデータのことです。これは他社にとってはファーストパーティデータになります。そのため他社から購入したり、パートナー企業となってデータを共有するという方法で入手します。
他社のウェブサイトの閲覧履歴や購入履歴がわかるため、リターゲティングに活用できるというメリットがあるわけです。
・サードパーティデータ
サードパーティデータは、第三者が提供するデータで、リサーチ会社等が販売する外部データのことです。サードパーティデータには自社だけでは収集できない多くのデータが含まれているため、非常に有用です。
しかし近年、cookie制限が厳しくなっているため、ウェブ上で得られるデータに関しては限定されているという現状があります。
ファーストパーティデータの収集方法
ファーストパーティデータを活用するためには、その前に収集する必要があります。ファーストパーティデータの収集には以下の4つの方法が考えられます。
・トラッキングピクセルを設置する
トラッキングピクセルは自社のウェブサイトやSNSに設置することで、顧客の行動やアクションに関する情報を入手できます。この方法であれば、顧客の行動データを細かく収集できます。
・CDPを活用する
CDPはファーストパーティデータの収集や分析、管理に使えるシステムです。CDPを導入することで、データの収集だけでなく分析や管理も行えるため、各顧客に対して適切なアプローチを実現できます。
・DMPを活用する
DMPはプライベートDMPとオープンDMPがあります。オープンDMPは外部の企業が保有しているデータを収集・管理するシステムで、プライベートDMPが外部データも含めて、自社のデータも収集・管理するシステムです。
ファーストパーティデータに関してはプライベートDMPを導入する必要があります。プライベートDMPは、機能として前述したCDPとほぼ変わらないと言っていいでしょう。
・CRMを導入する
CRMは顧客とのやり取りを管理するシステムです。カスタマーセンターなどで導入されており、顧客に関する情報を収集・管理します。顧客の名前・住所といった個人情報だけでなく、メールや電話のやり取りなども管理できるため、サービス改善に役立ちます。
ファーストパーティデータの活用法
ファーストパーティデータの活用として考えられるのは、主に以下の3つです。
・潜在顧客や既存顧客の優先順位をつけ、インサイドセールスを効率化する
ファーストパーティデータを分析することで、潜在顧客の優先順位が付けられます。優先順位がつけられれば、どのタイミングでどの潜在顧客にアプローチすればいいかの判断ができるわけです。
また新商品をリリースする際も、既存顧客の中でどの顧客にアプローチすればよいか、事前に想定できます。このように潜在顧客と既存顧客の優先順位がつけられることで、インサイドセールスが効率化できます。
・各顧客にあった広告宣伝を行う
顧客の属性がわかることで、それぞれの顧客にあった広告配信ができます。たとえば購入履歴がわかれば、購入された商品の類似商品をレコメンドできるわけです。また宣伝の頻度を顧客によって変えることも可能です。
最近、ウェブ広告を倦厭する人も多く、広告や宣伝が逆にブランド価値を下げてしまう事例も見られます。その点、各顧客にあった広告配信であれば、ブランド価値を下げるような広告や宣伝は少なくなるでしょう。
・業務やサービスの改善に役立てる
ファーストパーティデータを収集して分析することで、今まで思っていたこととは違った結果がわかることもあります。そのためファーストパーティデータの活用が、業務やサービスの改善に役立ちます。
現在、データにもとづいた経営を行うことで、売上がアップする企業は多く、「データドリブン」経営は必須となっているのです。
ファーストパーティデータを活用する際の注意点
ファーストパーティデータを活用するためには以下の4つの点に注意しなければなりません。
・目的を明確化する
ファーストパーティデータはデータだけ集めても意味がありません。目的がなければどのように分析すればいいかもわからないため、結局データの活用ができずに終わることも多いです。
はじめにどのような課題を解決するためにファーストパーティデータを活用したいのか、明確にしておきましょう。
・ツールを導入する
ファーストパーティデータを効率的に収集・管理・分析するためにはシステムの導入は必須です。前述したDMP、CRM、CDPは目的に合わせて導入していく必要があります。またシステムと言っても、サービスを提供している企業によって機能も値段も変わります。
自社の目的と予算にあったシステムを導入するようにしましょう。まずは相見積もりの取得をオススメします。
・人材を採用する
ファーストパーティデータを活用するためには、組織を改変することと人材を採用することが必要になります。データの収集・管理・分析はシステムで行えますが、どのようにサービス改善等に生かしていくかは、データを扱う人によって変わってきます。
そのためデータをしっかりと扱える人を社内で探すか、もしくは新しく雇う必要があるでしょう。
・改善幅を小さくしてPDCAをくりかえす
ファーストパーティデータの活用は、簡単ではありません。そのためPDCAをくり返す必要があります。さらに最初から大幅にサービスを変えるのはリスクが高いです。まずは改善の幅を小さくして、結果を見て判断すべきです。
自社で立てた目標に対して、どのやり方がもっとも効果的か、考えてやっていきましょう。
社内の意識改革も同時にしましょう!
ファーストパーティデータを使った経営は、今後ますます重要になってきます。しかしその意識が社内全体に浸透していなければうまくいきません。データにもとづいて大きな変革をしようとしても、社員が今までのやり方で仕事をしてしまうこともあるのです。
そうした状況を改善するためにも、データにもとづいた経営を行う方がうまくいくという意識を社内でも共有していく必要があります。社員研修などをおこない、今までのやり方よりも、データを使ったやり方で仕事をした方がうまくいくという実感を持ってもらうようにしましょう。
そうすることでファーストパーティデータを活用したサービスが、うまくいく可能性が高まるでしょう。ぜひ検討してみてください。
「オムニデータバンク」は広告配信で必要なあらゆるファーストパーティーデータだけをセキュアに収集・管理・運用するマーケティングプラットフォームです。独自のデータ収集機能、計測機能に加えて、アナリティクス、WEB広告、CRMなど多彩なツールとの連携が可能になります。
ファーストパーティデータの収集だけでなく、管理・運用に課題をお持ちの企業の方はこちらからお問い合わせください。