Xで認証を受けるとは?広告配信に必要なバッジの要件と費用を解説
デジタルマーケティング
2024.07.16
X広告は、アカウントを作れば誰でも出せる広告ではありません。配信するには認証バッジ(有料サブスクリプション)の取得が前提条件になっており、ここを知らずに準備を進めると、クリエイティブが完成してから配信できないことに気づくという事故が起こります。
さらに注意すべき点があります。Xプレミアムの一番安い「ベーシックプラン」には青いチェックマークが付きません。「有料プランに入ったのに広告が出せない」という相談の多くは、ここが原因です。
この記事では、X広告を出すために何をどの順番で揃えるべきかを、認証バッジの要件から逆算して整理します。あわせて2026年の仕様変更(広告マネージャーのリニューアル、ハッシュタグとURLの禁止、Grokの搭載)も反映しました。
なお、認証マークそのものの種類やブランディング上の価値についてはX認証マークとは?種類・料金・メリット・デメリットを解説で詳しく扱っています。この記事は広告を出す側の実務に絞って解説します。
X広告(旧Twitter広告)とは
まずX広告がどういう広告なのかを確認します。他の媒体と性質がかなり違うため、ここを押さえておかないと予算の置き方を間違えます。
配信される面と仕組み
X広告は、Xのタイムラインや検索結果、話題を検索(トレンド)、プロフィールなどに表示される広告です。通常の投稿と同じ見た目で流れてくるため、広告だと意識されにくいのが特徴です。
入札制で配信され、設定した目的(サイト訪問、アプリインストール、動画再生など)に応じて課金方式が変わります。
他のSNS広告との違い
最大の違いは拡散の仕組みです。
Meta広告やLINE広告は、基本的に配信した相手にだけ届きます。一方X広告は、広告を見たユーザーがリポスト(旧リツイート)すると、その先のフォロワーにも表示されます。この二次拡散で発生した表示やクリックには広告費がかかりません。
一方で、拡散する内容をコントロールできないという裏返しのリスクもあります。
検索連動型広告との違い
Google広告のような検索連動型広告は、「今まさに探している人」に届ける広告です。これに対してX広告は、まだ能動的に探していない層に話題として届ける広告です。
そのため、顕在層の刈り取りには向かず、認知の獲得や話題化に向くという性質になります。すでに検索ボリュームがある商材なら検索広告を先に整えたほうが効率的です。
【前提】X広告の配信には認証バッジが必須
ここがX広告の最も特殊な点です。他の主要媒体には存在しない要件なので、初めて出稿する場合は必ず最初に確認してください。
なぜ認証が必要になったのか
2023年4月の方針変更以降、X広告を配信するにはアカウントが認証済みであることが条件に加わりました。
背景にあるのは、なりすましアカウントや質の低い広告主の排除です。有料サブスクリプションと本人確認を通過したアカウントだけに広告配信を許可することで、プラットフォーム上の広告の信頼性を担保する設計になっています。
結果として、広告費とは別に認証の固定費が毎月かかるという前提で予算を組む必要が生じました。
個人・法人で必要なバッジが違う
| 出稿主体 | 必要な加入先 | 付与されるバッジ |
| 個人・個人事業主 | Xプレミアム(プレミアム以上) | 青バッジ |
| 法人・団体 | Xプレミアムビジネス(Verified Organizations) | 金バッジ |
| 政府機関・多国間組織 | Verified Organizations | グレーバッジ |
法人であっても、まずは青バッジで広告を始めることは可能です。ただし金バッジのほうが組織としての認証が明示されるため、ブランドの信頼性を重視する場合は金バッジが選ばれます。
ベーシックプランでは広告を出せない
ここが最も見落とされやすい落とし穴です。
Xプレミアムには3つのプランがありますが、青いチェックマークが付与されるのは「プレミアム」以上です。最安の「ベーシック」プランには認証バッジが付きません。
Xの公式ヘルプにも、青いチェックマークが付与されるのはプレミアムまたはプレミアムプラスのサブスクリプションであると明記されています。
つまり、コストを抑えるつもりでベーシックプランに加入しても、広告は配信できません。 広告出稿が目的なら、最低でもプレミアムプラン(月額980円)が必要です。
認証が外れると配信も止まる
認証バッジは一度取得すれば終わりではありません。サブスクリプションを解約したり、何らかの理由でバッジが剥奪されると、X広告の配信もあわせて停止します。
支払い方法の期限切れで決済が通らず、気づかないうちに配信が止まっていたという事例もあります。広告を継続的に運用するなら、認証の支払い状況も運用項目として管理対象に入れてください。
X広告に必要な認証バッジの種類と費用【2026年】
費用は広告費と別にかかる固定費です。年間でいくらになるかを把握してから出稿計画を立ててください。以下は2026年10月時点の料金です。
Xプレミアム(青バッジ)の料金
| プラン | 月額 | 年額 | 認証バッジ |
| ベーシック | 368円 | 3,916円 | 付かない |
| プレミアム | 980円 | 10,280円 | 青バッジ |
| プレミアムプラス | 6,080円 | 60,040円 | 青バッジ |
広告出稿が目的なら「プレミアム」で足ります。 プレミアムプラスは広告の非表示や収益化の分配率、X Pro(旧TweetDeck)といった機能が主な差分で、広告を出すうえで必須の機能は含まれていません。
なお料金はWebサイトから申し込んだ場合の金額です。iOS・Androidアプリから申し込むとストアの手数料が上乗せされるため割高になります。ブラウザから申し込むほうが安く済みます。
Xプレミアムビジネス(金バッジ)の料金
法人向けのVerified Organizationsは、月額135,000円です。関連アカウントを追加する場合は、1アカウントあたり月額8,000円が別途かかります。
青バッジとは桁が2つ違うため、広告を出すためだけに金バッジを選ぶ必要はほとんどありません。金バッジが合理的になるのは、次のようなケースです。
- 複数のブランドアカウント・支店アカウントを運用しており、親子関係を明示したい
- なりすまし被害が実際に発生している、または発生リスクが高い
- 上場企業などで、組織としての認証が対外的に求められる
グレーバッジ(政府機関・多国間組織)
政府機関や多国間組織に付与されるバッジです。一般企業は対象外のため、民間企業の広告出稿では選択肢になりません。
個人事業主・中小企業はどちらを選ぶべきか
結論としては、まず青バッジ(プレミアム・月額980円)で始めるのが合理的です。
年間で1万円強の固定費であれば、広告のテストを回すコストとして許容できる範囲です。広告の成果が確認でき、組織としての信頼性を強く打ち出す必要が出てきた段階で金バッジを検討すれば十分です。
無償付与の枠組みについて
年間契約を結んでいる広告主、一定以上の配信実績がある大口広告主、Xの認定代理店を経由する場合などには、バッジが無償で付与される枠組みが案内されることがあります。
ただしこの条件はXの公式ヘルプに公開されておらず、内容も変動します。 該当する可能性がある規模の出稿を予定しているなら、Xの営業担当または取引のある代理店に直接確認してください。
公開情報だけで判断すると、払わなくてよい費用を払うことになりかねません。
認証バッジの取得手順と、広告出稿までの逆算スケジュール
認証には審査があります。配信開始日が決まっている場合は、審査期間を見込んで逆算する必要があります。
青バッジの取得手順
- 事前条件を満たす——次の4点が必要です
- 表示名とプロフィール画像が設定されている
- アカウント作成から90日以上が経過している
- 確認済みの電話番号が登録されている
- 過去30日以内にアカウントがアクティブである
- 加えて、表示名・ユーザー名・プロフィール画像を直近で変更していないことも条件になります。申請の直前にプロフィールを整えると、かえって審査が通らなくなる場合があるため、変更は早めに済ませてください。
- Xプレミアムに加入する——メニューから「プレミアム」を選び、プレミアムまたはプレミアムプラスを選択します(ベーシックは不可)
- 支払い手続きを行う——ブラウザから申し込むと割安です
- 審査を待つ——条件を満たしていれば青いチェックマークが付与されます
金バッジの取得手順
- Verified Organizationsの申請フォームから申し込む
- 組織の実在を確認できる情報(公式サイト、登記情報など)を提出する
- 審査を受ける
- 承認後、金バッジが付与され、関連アカウントの紐付けが可能になる
法人確認が入るため、青バッジより審査に時間がかかります。
審査にかかる期間と逆算の考え方
審査期間は条件によって変わりますが、実務上は次のように見込んでおくと安全です。
| 状況 | 見込むべき期間 |
| 状況 | 見込むべき期間 |
| — | — |
| 運用実績のある既存アカウントで青バッジを申請 | 3日〜1週間程度(公式ヘルプの目安は1〜2営業日) |
| 新規開設アカウントで青バッジを申請 | 3週間〜1か月程度 |
| 金バッジ(法人確認あり) | 数週間 |
| 認証取得後の広告アカウント審査 | 数時間〜1〜2営業日 |
新規アカウントで広告を始める場合が最も時間がかかります。 アカウント作成から90日以上の経過が条件になるため、「今日アカウントを作って来月配信」というスケジュールは物理的に組めません。
逆算すると、新規アカウントで広告を始めるには配信希望日の4か月前にはアカウントを開設しておく必要があります(90日の経過+認証審査3週間〜1か月+広告アカウント審査)。
キャンペーンの実施が決まった時点で、クリエイティブより先にアカウントと認証の準備を始めてください。
プロフィール変更で審査が入り、配信が止まる
運用中に起こりやすいトラブルです。表示名・ユーザー名・プロフィール画像を変更すると、再審査が入ります。 そして審査が完了するまで広告の配信ができません。
キャンペーンに合わせてアイコンやヘッダーを変更する運用をしている場合、配信中の広告が止まる可能性があります。プロフィールの変更は、配信期間と重ならないように計画してください。
代理店がクライアントの広告を準備する場合
代理店が運用を受託する場合、認証バッジはクライアント側のアカウントで取得する必要があります。代理店のアカウントが認証されていても、クライアントのアカウントから配信するには、そのアカウント自体が認証されていなければなりません。
クライアントに加入手続きと支払いを依頼する工程が発生するため、提案段階でこのコストと期間を見積もりに織り込んでおくと、進行がスムーズになります。
権限の受け渡し方にも注意が必要です。 クライアント自身がアカウントを開設し、X公式のツールを通じて代理店に広告管理の権限を付与する形にしてください。
IDとパスワードを直接預かって運用する方法は、セキュリティ上も規約上も避けるべきです。アカウントが凍結された場合に復旧できないリスクもあります。
X広告のメリット
認証の固定費を払ってでもX広告を使う価値がある理由を整理します。
細かいターゲティングができる
年齢・性別・地域といった属性に加えて、次のような条件で配信先を絞れます。
- キーワードターゲティング——特定の語を含む投稿をした、または検索したユーザー
- フォロワーターゲティング——指定したアカウントのフォロワーと似た傾向のユーザー
- 興味関心・イベント——スポーツイベントや季節の行事など
- カスタムオーディエンス——自社の顧客リストやサイト訪問者をもとにした配信
特にキーワードターゲティングとフォロワーターゲティングは、X独自の精度を持つ機能です。競合アカウントのフォロワー層に配信するといった使い方ができます。地域指定の実務はX広告の地域ターゲティング解説で詳しく扱っています。
二次拡散には費用がかからない
前述のとおり、広告がリポストされて二次的に広がった分には課金されません。内容が共感を呼べば、支払った広告費以上のリーチを獲得できる可能性があります。
この性質があるため、X広告はクリエイティブの出来によって費用対効果が大きく変わります。配信設定の最適化より、内容の工夫が効く媒体です。
自社アカウントの資産が育つ
広告を配信すると、自社アカウントへの流入とフォロワーの増加も同時に起こります。獲得したフォロワーには、以降の投稿を無料で届けられます。
広告費が消えて終わりにならず、オーガニックの到達力として残る点は、他の媒体にない利点です。
話題性のある商材と相性が良い
新商品の発売、キャンペーン、イベント、期間限定の施策など、「今」の情報と相性が良い媒体です。逆に、年間を通して同じ訴求を続ける商材では拡散が起きにくくなります。
X広告のデメリットと注意点
導入前に把握しておくべき弱点です。
認証バッジの固定費がかかる
他の媒体にはない制約です。広告費が月1万円でも、認証の980円は別途発生します。少額でテストしたい場合、固定費の比率が高くなる点は考慮が必要です。
金バッジを選ぶ場合は月額135,000円になるため、広告費と合わせた総額で費用対効果を判断しなければなりません。
ターゲティング精度にばらつきがある
キーワードターゲティングは投稿内容をもとにするため、文脈を取り違えることがあります。皮肉や否定的な文脈でその語を使ったユーザーにも配信されるため、意図した層とずれる場合があります。
配信後に実際の反応を見て、除外キーワードを足していく運用が前提になります。
炎上リスクがある
拡散力が高いことは、ネガティブな反応も速く広がることを意味します。表現に問題があった場合、短時間で大きく広がります。
配信前に第三者が内容を確認する体制を用意しておくことが、実務上の防御策になります。
引用・言及はコントロールできない
広告に対する引用ポストや言及は、広告主側で削除できません。批判的なコメントが付いた状態で拡散することもあります。
反応を監視し、必要なら配信を停止する判断ができる体制が必要です。
X広告の種類(広告フォーマット)
目的によって使えるフォーマットが変わります。主なものを整理します。
プロモ広告
通常の投稿と同じ形式でタイムラインに表示される、最も基本的なフォーマットです。画像・動画・カルーセルなどを使えます。
多くのキャンペーンはこのフォーマットから始めます。
Amplify
動画コンテンツの再生前や再生中に広告を配信するフォーマットです。パブリッシャーの動画と組み合わせて配信されるため、文脈に沿った形で届けられます。
テイクオーバー
「話題を検索」タブやタイムラインの最上部を一定時間独占する大型フォーマットです。短期間で一気に認知を獲得したい場合に使われますが、費用は高額になります。
ダイナミック商品広告
商品フィードを連携し、ユーザーの行動に応じて表示する商品を自動で切り替えるフォーマットです。EC事業者向けの機能です。
コレクション広告
メイン画像と複数のサムネイル画像を組み合わせて表示するフォーマットです。複数の商品やサービスを一度に見られます。
ライブ
ライブ配信と連動させて広告を配信するフォーマットです。イベントやリアルタイム性の高い施策で使われます。
終了したフォーマット
フォロワー獲得に特化した「フォロワー獲得広告」は2023年8月に終了しました。現在はフォロワーの獲得も、プロモ広告など通常のフォーマットを通じて行います。
古い解説ではこのフォーマットが紹介されていることがあるため、出稿時は管理画面で選択可能なフォーマットを確認してください。
X広告の費用と課金方式
X広告は目的に応じて課金対象が変わります。どの行動に対して費用が発生するかを理解しておくと、予算の見積もりが正確になります。
課金方式と単価の目安
| 課金方式 | 課金されるタイミング | 単価の目安 |
| クリック課金 | リンクがクリックされたとき | 24〜200円 |
| インプレッション課金 | 1,000回表示されるごと | 400〜650円 |
| エンゲージメント課金 | いいね・リポスト・返信などがあったとき | 40〜100円 |
| フォロー課金 | フォローされたとき | 40〜400円 |
| アプリインストール課金 | アプリがインストールされたとき | 100〜250円 |
| 再生数課金 | 動画が一定時間再生されたとき | 5〜20円 |
単価は業種や競合状況で大きく変動するため、あくまで目安として扱ってください。
予算の決め方
X広告には最低出稿金額の設定がなく、少額からでも配信を始められます。ただし少額では配信データが溜まらず、最適化が進みません。
実務的な決め方は次の順序です。
- 1件あたりいくらまで払えるか(許容CPA)を粗利から逆算する
- 月に何件獲得したいかを決める
- 許容CPA × 目標件数 = 広告費
- 認証バッジの固定費を加算する(青バッジなら月980円、金バッジなら月135,000円)
- 総額で費用対効果が成立するかを確認する
4を忘れないことが、X広告特有のポイントです。 他の媒体と同じ感覚で広告費だけを見積もると、固定費の分だけ想定が甘くなります。
X広告の始め方【6ステップ】
準備から配信までの手順です。順序を間違えると手戻りが発生します。
ステップ1:認証バッジを取得する
最初にこれを済ませてください。 クリエイティブを作ってから認証がないことに気づくと、審査期間のあいだ配信できません。
個人・個人事業主はXプレミアムのプレミアムプラン以上、法人で金バッジが必要ならVerified Organizationsに加入します。
ステップ2:広告アカウントを作成する
認証が完了したら、X広告の管理画面から広告アカウントを作成します。国と時間帯、支払い方法を設定します。
このあと広告アカウント自体の審査があり、24〜48時間程度かかります。
ステップ3:キャンペーンの目的を決める
目的によって課金方式と最適化の動き方が決まります。「とりあえずサイト訪問」ではなく、最終的に何が増えれば成功なのかを先に定義してください。
目的を変えると学習がリセットされるため、途中での変更は避けたほうが無難です。
ステップ4:ターゲティングを設定する
最初から細かく絞り込まず、次の順序で広げるのが安全です。
- すでに接点のある層——顧客リストやサイト訪問者をもとにしたカスタムオーディエンス
- その層に近い層——フォロワーターゲティング
- 新規層——キーワードや興味関心
媒体横断でのオーディエンス設計はカスタムオーディエンスの解説記事にまとめています。
ステップ5:クリエイティブを入稿する
後述する2026年の入稿規定に注意してください。ハッシュタグとURLが本文で使えなくなっているため、以前の広告文をそのまま流用すると審査に通りません。
ステップ6:配信・効果測定
配信開始後は、設定した目的に対する成果を確認します。管理画面では表示回数・クリック・エンゲージメント・コンバージョンが見られます。
ただし管理画面の数値だけでは判断を誤る場合があります。理由は最後の章で説明します。
【2026年】X広告の入稿規定と仕様変更
ここ1〜2年でX広告の仕様は大きく変わりました。古い情報のまま準備すると審査落ちや設定ミスにつながるため、現時点の内容を確認してください。
広告マネージャーがリニューアルされた(2026年3月26日)
管理画面の刷新にあわせて、次の変更が入りました。
- 決済システムがStripeに移行——支払い設定の再登録が必要になるケースがあります
- 入札オプションが「自動入札」と「上限入札単価」の2つになった——刷新前にあった「目標入札単価」は表示されなくなり、提供予定とアナウンスされています(2026年8月時点でも未提供)
- キャンペーン予算最適化(CBO)が広告グループレベルの設定に変更された
- 動画の入札・最適化が「動画再生」と「プレロール再生」に限定された——どちらも「10秒視聴または95%再生完了」を基準に最適化されます
動画の最適化条件が変わった点は見落としやすく、過去の数値とそのまま比較できなくなっています。 前年同月比を見るときは注意してください。
ハッシュタグが使えなくなった
2025年6月27日から、本文にハッシュタグを含む広告は新規出稿できなくなりました。 広告から注意をそらす要素を排除し、タイムラインに自然に溶け込ませる狙いとされています。
例外として、カンバセーションボタン内では使用できます。ハッシュタグを起点にしたキャンペーン設計をしていた場合、企画そのものの見直しが必要です。
本文へのURL直貼りが禁止された
2025年7月29日以降、広告本文にURLを記載できなくなりました。
ただしウェブサイトカード、カルーセル広告、コレクション広告ではリンクを使えます。遷移先へ送りたい場合は、本文にURLを書くのではなくこれらのフォーマットを使うのが現在の正しい方法です。
絵文字に制限がかかった
同じく2025年7月29日以降、絵文字にも制限が入りました。
- 2種類以上の絵文字を含む広告は配信不可(日本・韓国向けの配信は対象外)
- 「#️⃣」と「✅」は全地域で使用禁止
✅が禁止されているのは、認証バッジと誤認させる恐れがあるためです。認証を示す記号を広告文で模倣することはできません。 信頼性を示したいなら、記号ではなく実際に認証バッジを取得するという整理になっています。
インスタントウィンキャンペーンの条件
抽選結果を即時に返すインスタントウィン型(オートリプライ)のキャンペーンは、2025年2月に条件が厳格化されました。実施に必要な出稿金額は、30日間を基準として205万円以上(代理店マージン込み)とされています。
さらに実務上、次の制約があります。
- 返信数・DM数・APIのアクション稼働数によって最低出稿金額は変動する
- キャンペーン開始の10営業日前までに、X認定代理店からX社へ申請し承認を得る必要がある
- 2026年2月の規約変更で出稿金額がさらに引き上げられたとする情報もある
つまり自社だけでは実施できず、認定代理店を経由した準備期間も必要です。金額条件は変動するため、実施を検討する段階で認定代理店に最新の条件を確認してください。小規模な予算でこの形式を計画している場合、そもそも実施できない可能性があります。
Grokが広告マネージャーに搭載され始めた
2026年、XはAI「Grok」を広告マネージャーに搭載するベータテストを開始しました。現時点でできることは次の範囲です。
- 広告のアプローチについてGrokに直接相談する
- 広告作成をガイドするツールチップの表示
- クリエイティブのアイデア出し支援
将来的には広告の安全性チェックやターゲティングを含めた「広告の完全自動化」を目指す方針が示されています。配信の判断がAIに移っていく流れは、他の媒体と同じ方向です。
現時点では一部の広告主向けのベータであり、全アカウントで使える機能ではありません。
X広告で成果を出すための考え方
最後に、認証の固定費がかかる媒体をどう評価すべきかを整理します。ここがX広告ならではの論点です。
認証バッジは「コスト」ではなく「出稿の前提条件」
認証バッジの費用は、広告の成果とは独立して毎月発生します。だからこそ、「バッジ代を払う価値があったか」を広告の成果と合わせて判断する必要があります。
青バッジなら年間1万円強なので、判断に悩む金額ではありません。問題は金バッジを選んだ場合です。年間162万円の固定費に対して、X広告から得られた売上がそれを上回っているかどうかは、感覚では判断できません。
固定費があるからこそ、費用対効果の判定が必要
X広告の評価には、少なくとも3つの数字が必要です。
- 広告費——管理画面で分かる
- 認証の固定費——請求額で分かる
- X経由で生まれた売上——ここが見えていないことが多い
1と2は確実に把握できます。問題は3です。これが分からないままだと、「表示回数は増えた」「フォロワーは増えた」という中間指標だけで判断することになり、固定費を含めた回収可否は永久に分かりません。
計測が欠けていると、認証コストの回収判断ができない
たとえば、次のような流れを考えてみてください。
- X広告を見たユーザーが自社サイトを訪問する
- 内容を確認し、電話で問い合わせる
- 商談を経て契約が成立する
Webフォームの送信だけを計測している設定では、この成果は1件も記録されません。すると起こることは2つあります。
1つは、評価を誤ることです。 X広告は「クリックはされたがコンバージョンゼロ」と判定され、認証の固定費を払う価値がなかったという結論になります。実際には最も売上を生んでいた経路かもしれません。
もう1つは、配信の最適化が狂うことです。 自動入札は、戻ってきたコンバージョンデータを基準に配信先を決めます。
電話で決まる層の成果が記録されていなければ、その層への配信は成果ゼロと見なされて削られていきます。人間の運用者なら「最近電話が増えている」と補正できますが、AIにとっては渡されたデータがすべてです。
X広告は認知獲得に向く媒体であり、クリック直後ではなく時間をおいて問い合わせにつながるケースが多くなります。だからこそ、成果が漏れなく戻っているかどうかが評価を左右します。
成果データを揃えてから、運用の改善に進む
対処は、ブラウザの外で起きた成果も含めて自社でデータを収集し、媒体へ戻すことです。そのための基盤がファーストパーティデータで、技術的な手段としてはサーバー側から成果を送信するコンバージョンAPIが使われます。
オムニデータバンクは、Webサイト上の行動・電話での問い合わせ・実店舗での来店・CRM上の受注といったデータを収集・統合し、Google・Facebook(Meta)・Instagram・Yahoo!といった各広告媒体へ連携するためのプラットフォームです。
ウェブトラッキングに加えてコールトラッキング機能を標準で備えているため、計測から抜け落ちていた電話経由の成果を広告の成果として戻せます。
成果が正しく戻っていれば、「X広告は認証の固定費を含めても回収できている」「この訴求のほうが金額ベースの売上が大きい」という判断が数字でできるようになります。固定費のかかる媒体ほど、回収できているかを測れる状態をつくっておく価値が大きくなります。
よくある質問
X広告の出稿について、実務でよく寄せられる疑問をまとめました。
X広告は認証バッジがなくても出せますか?
出せません。X広告の出稿資格には、アカウントが認証済みであることが含まれています。個人・個人事業主はXプレミアムのプレミアム以上、法人で金バッジが必要な場合はVerified Organizationsへの加入が必要です。
ベーシックプランでは広告を出せませんか?
出せません。青いチェックマークが付与されるのはプレミアムまたはプレミアムプラスで、ベーシックには付きません。広告出稿が目的なら、最低でもプレミアムプラン(月額980円)が必要です。
法人でも青バッジで広告を出せますか?
出せます。金バッジ(月額135,000円)は組織としての認証を明示するためのもので、広告出稿の必須条件ではありません。複数アカウントの紐付けやなりすまし対策が必要になった段階で検討すれば十分です。
認証から広告配信までどれくらいかかりますか?
既存の運用実績があるアカウントなら3日〜1週間程度です。新規開設アカウントは作成から90日以上の経過が条件になるため、認証審査(3週間〜1か月)と合わせて配信希望日の4か月前には着手してください。
認証後にさらに広告アカウントの審査が数時間〜1〜2営業日かかります。
プロフィールを変更すると広告はどうなりますか?
表示名・ユーザー名・プロフィール画像を変更すると再審査が入り、審査が完了するまで配信ができません。キャンペーンに合わせてアイコンを変更する運用をしている場合は、配信期間と重ならないよう計画してください。
サブスクリプションを解約したら広告はどうなりますか?
認証バッジが外れるため、広告配信も停止します。支払い方法の期限切れで決済が通らない場合も同様です。認証の支払い状況は運用管理の項目に含めてください。
広告本文にハッシュタグやURLは使えますか?
どちらも使えません。ハッシュタグは2025年6月27日から、本文へのURL記載は2025年7月29日以降、新規出稿ができなくなっています。遷移先へ送る場合はウェブサイトカードやカルーセル、コレクション広告を使ってください。
X広告の最低出稿金額はいくらですか?
最低出稿金額の設定はなく、少額から配信を始められます。ただし認証バッジの固定費が別途かかるため、総額では月1,000円程度が実質的な下限になります。
また少額では配信データが溜まらず最適化が進まないため、テストとして意味のある金額を確保したほうが結果は安定します。
認証バッジを取ればフォロワーは増えますか?
バッジ自体にフォロワーを増やす効果はありません。返信が会話内で上位に表示されやすくなるといった仕様上の優遇はありますが、増えるかどうかは発信内容によります。認証マーク自体の効果についてはX認証マークの解説記事で詳しく扱っています。
まとめ
X広告を始めるうえで押さえるべき点を整理します。
- X広告の配信には認証バッジが必須。他の主要媒体にはない要件なので、最初に準備する
- ベーシックプランでは広告が出せない。青バッジが付くのはプレミアム(月額980円)以上
- 法人でも青バッジで出稿可能。金バッジ(月額135,000円)は広告出稿の必須条件ではない
- 新規アカウントは準備に4か月見込む。青バッジの取得にはアカウント作成から90日以上の経過が必要
- プロフィール変更で再審査が入り、配信が止まる。変更は配信期間を避ける
- 2026年の仕様変更に注意。広告マネージャーのリニューアル、ハッシュタグとURLの禁止、絵文字制限、Grokの搭載
- 評価には認証の固定費を含める。そのためには、電話や来店を含めた成果が漏れなくデータとして戻っている必要がある
X広告は、拡散による上振れが期待できる一方で、認証の固定費という下駄を履いた状態で始まる媒体です。その下駄を含めて回収できているかを判断できるかどうかが、継続するか撤退するかの分かれ目になります。
自社の広告成果が正しく計測できているか、電話や来店の成果が抜け落ちていないかを確認したい方は、オムニデータバンクの資料をご覧ください。散らばった顧客データを統合し、媒体のAIに正しい判断材料を届けるための仕組みをご紹介しています。