【新任マーケター必見】ファネルの基礎から生成AI活用までを解説

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2024.08.29

【新任マーケター必見】ファネルの基礎から生成AI活用までを解説

マーケティング戦略を検討する際、顧客が製品やサービスを知り、最終的に購入に至るまでのプロセスを分析することは基本中の基本です。このプロセスのことを「マーケティングファネル」と呼びます。マーケティングファネルを理解することで、企業は顧客の購買行動を効果的に誘導し、マーケティング戦略を最適化できます。

本記事では、マーケティングファネルの基礎から、ファネルのそれぞれのフェーズで活用されるマーケティング施策と課題について解説し、最後に各フェーズでどのように生成AIが活用されるのかについて解説していきます。

マーケティングファネルとは

マーケティングファネルとは、顧客が製品やサービスを認知し、最終的に購入するまでの一連の段階を示すモデルのことを指します。

図にしたときの形状がファネル(漏斗・ろうと)に似ていることから、マーケティングファネルと呼ばれています。最初の認知のフェーズが広く、上部から始まり、最後の購入に向けて、徐々に下に降りて狭くなる形状をしています。

ここでは、マーケティングファネルの代表的なフレームワークであるAIDMA(アイドマ)とAISAS(アイサス)についてそれぞれ解説します。

AIDMA

マーケティングファネルにはいくつかのフレームワークがあり、代表的なフレームワークにはAIDMA(アイドマ)があります。AIDMAは、Attention(認知)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の5つの頭文字から作られた言葉で、顧客が製品やサービスを認知し、最終的に購入という行動に至るまでの一連の段階を5つのフェーズに分けています。

AIDMAの各フェーズの具体的な内容は以下の通りです。

Attention(認知):顧客が広告やマーケティングメッセージに気付く段階です。広告のデザインやキャッチコピーなどで顧客の注意を引きます。

Interest(興味):顧客が製品やサービスに興味を持つ段階です。製品の特徴や利点を強調し、顧客の興味、関心を引きます。

Desire(欲求):顧客が製品やサービスを欲しいと感じる段階です。商品のメリットや価値を強調し、顧客の欲求を喚起します。

Memory(記憶):顧客が製品やサービスについての情報を記憶する段階です。繰り返しの広告やメッセージを通じて、顧客の記憶に残るようにします。

Action(行動):顧客が実際に製品やサービスを購入する段階です。購入に至るまでの障壁を取り除き、スムーズな購買プロセスを提供します。

AISAS

また、AIDMAと類似のフレームワークにAISAS(アイサス)があります。これはインターネットの普及に伴って提唱されるようになったフレームワークで、AIDMAとは異なり、Search(検索)Share(共有)のフェーズがあります。

実際にみなさんも何か商品やサービスを購入する際には、事前にインターネットで「検索」したり、購入した商品やサービスが気に入った際には、SNSで「共有」することもあるかと思います。

AISASの各フェーズの具体的な内容は以下の通りです。

Attention(認知):顧客が製品やサービスに関する情報に気付く段階です。広告やSNSの投稿などを通じて、顧客の注意を引きます。

Interest(興味): 顧客が製品やサービスに興味を持つ段階です。製品の特徴やメリットに関する情報を提供し、顧客の関心を高めます。

Search(検索): 顧客が興味を持った製品やサービスについて、インターネットで情報を検索する段階です。検索エンジンやレビューサイト、SNSなどで詳しい情報を探します。

Action(行動): 顧客が製品やサービスを購入する、または行動を起こす段階です。オンラインショップでの購入や店舗への訪問が含まれます。

Share(共有): 顧客が購入した製品やサービスについての情報を、SNSやレビューサイトで共有する段階です。ポジティブなレビューや口コミが新たな顧客の注意を引くきっかけとなります。

ファネルに基づくマーケティング施策

ファネルの各フェーズにおいては、それぞれどのようなマーケティング施策が有効なのでしょうか。

例えば、Attention(認知)のフェーズでは、オウンドメディアの活用が挙げられます。オウンドメディアとは、企業や個人が自ら所有し、運営するメディアのことを指します。

オウンドメディアは、他者のプラットフォームに依存せず、自分たちでコントロールできるメディアとして、ブランドのメッセージを直接伝えるための重要なチャネルとなります。

Interest(興味)のフェーズでは、メールマガジンの活用が有効です。メールマガジンは、潜在顧客の関心を引き続け、ブランドや製品に対する興味を高めるための重要な手段です。

このフェーズでは、メールマガジンを使って有益で魅力的なコンテンツを提供し、顧客がさらに情報を知りたくなるように誘導します。

Search(検索)のフェーズでは、顧客からの問い合わせ対応があります。Search(検索)のフェーズは、顧客がより具体的な情報を求めて積極的に調査を行う段階です。このフェーズでの問い合わせ対応は、顧客が持つ疑問や不安を解消し、購買行動に進むようにサポートすることが目的です。

一方で、ファネルに基づくマーケティング施策にはいくつかの課題があります。例えば、オウンドメディアの活用であれば、コンテンツの生成に多大な労力がかかりますし、メールマガジンの作成も時間のかかる作業です。もちろん、問い合わせ対応にコールセンターを設置する場合には多くの人件費や外注費用がかかります。

そこで、最近はファネルに基づくマーケティング施策に、生成AIの活用が進んでいます。次章では、生成AIの概要、モデル、具体的に生成可能なコンテンツを紹介し、その次の章で、実際のファネルの各フェーズにおける生成AI活用ポイントについて紹介していきます。

生成AIとは

そもそも生成AIとはどのようなものなのでしょうか。ここでは生成AIと、生成AIで使われているChatGPTとDALL-Eについて説明します。

生成AI

生成AI(Generative Artificial Intelligence)とは、機械学習により、自動的にテキスト、画像、音声などのコンテンツを生成する技術の総称のことを指します。生成AIは、大規模なデータセットを学習し、そのデータから新しい情報を生成する能力を備えています。

特に、自然言語処理に基づいた生成AIは、テキスト生成の分野で非常に進化しており、対話型AIや言語モデルが注目されています。

生成AIの代表的な応用例として、OpenAIが開発したGPT-3が挙げられます。GPT-3は、テキスト生成において非常に高い性能を発揮し、コンテンツの自動生成、質問応答、文章要約、言語翻訳など多岐にわたるタスクで利用されています。

生成AIの進歩により、デジタルコンテンツの生成やカスタマーサポートなど、さまざまな領域で効率化が図られています。

ChatGPTは聞いたことがある方がほとんどだと思いますが、ChatGPTでは、このGPT-3やGPT-4というモデルが使用されています。2024年5月には「GPT-4o」という最新モデルが発表されました。

ChatGPTとDALL-E

ChatGPTは、過去のテキストデータから学習された知識を元に、人間と自然な会話をするように文章を生成します。例えば、ユーザーの質問に答えたり、会話を続けたりすることができます。ChatGPTは、チャットボットや顧客サポート、文章の自動生成など、さまざまな場面で活用されています。

一方、DALL-E(ダリ)は、OpenAIが開発した画像生成モデルです。DALL-Eは、テキストの記述から画像を生成することができます。

例えば、「青い雲の上に浮かぶ猫のような宇宙船」といった文章を入力すると、そのようなイメージの画像を生成することができます。DALL-Eは、アートやデザインの創造、画像生成の自動化など、様々な分野で活用の可能性があります。

ChatGPTとDALL-Eを組み合わせることで、例えば、ユーザーが文章で「青い雲の上に浮かぶ猫のような宇宙船」をリクエストすると、ChatGPTがこのリクエストを理解し、DALL-Eに渡して画像を生成する、といった使い方も可能です。

また、生成AIはファネルに基づくマーケティング施策にも影響を及ぼしており、コスト削減だけでなく、広告効果やユーザーエクスペリエンスの向上など、多くの可能性が広がっています。次章では、ファネルにおける生成AI活用ポイントを紹介します。

ファネルにおける生成AI活用ポイント

2章では、ファネルに基づくマーケティング施策にはいくつかの課題があることを紹介しました。オウンドメディアのコンテンツ生成や、メールマガジン作成に多大な労力がかかったり、コールセンターの設置に多くの人件費や外注費用がかかるという課題があります。

そこで各ファネルに基づくマーケティング施策での生成AI活用が進んでいます。例えば、オウンドメディアにおいては、記事の執筆にChatGPTなどの文章作成の生成AIが活用されたり、アイキャッチや記事内の挿入画像にDALL-Eなどの画像作成の生成AI活用が広まっています。

メールマガジンの作成においては、顧客リストからターゲットを絞り込む際に、ChatGPTなどの対話型の生成AIを活用して、セグメンテーション、ターゲッティングの方向性を対話しながら検討する活用方法が広まっています。

もちろん、実際のメールマガジンの文章を作成する際には、ここでも生成AIの文章作成の機能を活用することができます。

さらに、顧客からの問い合わせ対応にはチャットボットの活用が進んでいます。実際に顧客からの問い合わせに生成AIを活用している事例はまだまだ少ないものの、まずは社内の問い合わせ対応に生成AIを活用する事例が増えてきています。

社内のQ&Aなどのリソースを生成AIに学習させ、以前は総務・経理などの担当者が対応していた社内の問い合わせ対応を、生成AIを活用したチャットボットに代替する動きが進んでいます。

まとめ

本記事では、マーケティングファネルの基礎から、ファネルの各フェーズにおけるマーケティング施策の課題と、生成AIを活用した解決方法を解説しました。

マーケティングファネルは、顧客が製品やサービスを認知し、購入に至るまでの段階を示す重要なモデルです。代表的なフレームワークにはAIDMAとAISASがあり、AIDMAはAttention(認知)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の5段階を経て顧客が購買に至る過程を示しています。

一方で、AISASはSearch(検索)とShare(共有)を追加し、現代の顧客行動を反映したフレームワークになっています。

ファネルの各フェーズでのマーケティング施策には、オウンドメディア活用、メールマガジン活用、顧客からの問い合わせ対応などがあります。しかし、これらの施策には多大な労力や人件費がかかるため、生成AIの活用が注目されていることを紹介しました。

オウンドメディアのコンテンツやメールマガジン作成、問い合わせ対応のチャットボットなど、各種マーケティング施策に生成AIを活用することで、企業は顧客エンゲージメントを強化し、競争力を高めることが可能です。生成AIは今後もマーケティングファネル全体の課題解決のための強力なツールとして活用されていくでしょう。

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