データに基づくマーケティングにおけるGoogle広告とGA4の連携によるメリットとは

デジタルマーケティング

2023.10.12

データに基づくマーケティングにおけるGoogle広告とGA4の連携によるメリットとは

みなさんはWEB広告の効果検証を正しく行えていますか。目の前の業務に追われ、「なんとなく効果があったような気がする」という状態で、十分な検証ができないまま次の施策の検討に進んでいませんか。

今回はWEB広告における効果検証の大切さと、検証に有効なGoogle広告とGA4(Google Analytics 4)の連携について紹介します。

データに基づくマーケティング

WEB広告はユーザーのリーチを得るための重要な手段の1つですが、その効果を正しく評価するのは非常に困難です。実際のデータに基づき、可能な限り正しく効果検証を進められる基盤を作っていきましょう。

WEB広告の効果を最大限に引き出すためには、データに基づくマーケティングアプローチが必要不可欠です。データに基づく効果検証は、WEB広告の費用対効果を最適化するのに役立ちます。その効果検証が重要な理由は3つあります。

  1. 客観的な情報を得られる
    データを取得することで主観的な意見や予想ではなく、客観的な情報を得られます。WEB広告の成功や失敗を判断する際に、感情や直感ではなく、データに基づいて成果を数値化し、客観的な判断をすることが重要です。
  2. 仮説を検証の材料となる
    データに基づくマーケティングでは、まず仮説を立てそれを検証します。データを収集し検証することで、仮説が正しかったか間違っていたかの判断がしやすくなり、最適な広告戦略を見つけ出すのに役立ちます。
  3. 継続的な改善に活用できる
    データを活用したPDCAサイクルは、マーケティング戦略の中心的な要素となります。広告の成果を定期的に評価し、データから得られる示唆を活用して戦略を調整することで、競争力を維持し、成果を向上させることができます。

データに基づくマーケティングは、WEB広告の成功に必要不可欠です。感情や直感だけでなく、客観的なデータを活用して広告戦略を洗練させ、成果を最適化しましょう。次章では、データに基づくマーケティングを行うための仮説検証の考え方について紹介していきます。

仮説検証におけるデータ活用方法

データに基づくマーケティングでは、広告戦略の改善や効果の最適化を実現するために仮説検証が欠かせません。仮説検証は、ある仮説を立て、データを収集し、その仮説が正しいかどうかを検証するプロセスです。この章では、仮説検証の基本的な考え方をご紹介します。

仮説検証の考え方

データに基づくマーケティングでは、以下のステップで仮説検証を繰り返しながら、WEB広告の精度を高めていきます。

仮説の設定

まず最初に広告戦略における仮説を設定します。仮説はより具体的で検証可能なものでなくてはいけません。例えば「若手ビジネスパーソン向けに広告キャンペーンを打つことでECサイトの売上が増加するだろう」という状態では、仮説として成立していません。

「若手ビジネスパーソン」という単語は、「25-34歳、男性、独身、年収上位50%以上」と分解することでターゲットを明確化する必要があります。

また「売上」という単語ならば、「PV数×コンバージョン率×顧客平均単価」に分解し、各パラメータをどれくらい上げることで、最終的な売上目標を達成したいのかを明確化できるでしょう。このように仮説がより具体的になることで、広告戦略の効果検証がしやすくなります。

データ収集の準備

次に仮説検証に必要なデータを収集するための仕組みを用意します。売上、広告費用、広告のクリック数、クリック率、コンバージョン数、コンバージョン率、顧客平均単価など、仮説検証のために必要なデータに漏れがないか注意しましょう。

データの収集

実際に広告キャンペーンを発信し、データを収集します。データ収集の準備で設定した項目に即して、自動的にデータが収集されていることを確認します。キャンペーンを開始してすぐの間は、正しくデータが取得されているか、こまめにチェックしましょう。

データ分析と仮説検証

収集されたデータを分析し、設定した仮説が正しかったかどうかを検証します。仮説が正しい場合、それに基づいて広告戦略を調整し、さらに成果を最大化していきます。仮説が間違っていた場合は、新たな仮説を設定して再度検証を行います。

仮説検証の例

ここでは、具体的な例を使って仮説検証のプロセスを紹介します。

仮説の設定

まずは仮説を設定します。今回は「25-44歳、世帯年収上位30%の独身男性に広告を発信することで、売上を20%あげることができるだろう」という仮説を設定したとします。

データ収集の準備

次に、仮説検証に必要なデータを収集するための仕組みを用意します。売上、広告費用、広告のクリック数、クリック率、コンバージョン数、コンバージョン率、顧客平均単価など、仮説検証のために必要なデータが漏れていないか注意しましょう。

Google広告を活用する場合は、GA4と連携することでより検証がしやすくなります。実際の設定方法については後ほどご紹介します。

データの収集

実際に広告キャンペーンを発信し、データを収集します。データ収集の準備で設定した項目に即して自動的にデータが収集されていきます。キャンペーンを初めてすぐの間は、正しくデータが取得されているか、こまめにチェックしましょう。

仮説の検証と結論

分析結果をもとに、設定した仮説が正しいかどうかを検証します。例えば、売上目標20%増に対して、15%しか達成できていなかったとします。

このとき、なぜ達成できていないかを細かく分解していきましょう。クリック率が低かったのか。コンバージョン率が低かったのか。かかった広告費用とも比較し、費用対効果は良かったのか、悪かったのか。多角的な視点から分析し、新たな仮説を設定して再度検証を行います。

仮説検証はデータに基づくマーケティングの中心的なプロセスであり、広告戦略の最適化に不可欠です。しかし、データだけに注目しすぎることで、マーケティングとしての本質を見失うこともあります。次の章では、データ分析における落とし穴について考えていきましょう。

データ分析における落とし穴

データ以外から見える仮説

データ分析は非常に重要ですが、時にはデータ以外の要因から見落とされる仮説が存在します。例えば以下のような落とし穴に注意しないといけません。

データに残らないユーザー行動

データ分析では、WEBサイト上でのユーザーの行動を分析することができますが、それだけでは不十分です。ユーザーの行動には感情や特定の状況が影響を与えることがあります。

例えば、広告をクリックしなかったというデータだけが残ったとしても、その広告に関心がなかったのか、たまたまそのタイミングで電話がかかってきたのか、体調が悪くその日はクリックする気分にならなかったのか、など考えられる要因は様々です。

シーズンやトレンドの影響

一部のデータ分析では、季節やトレンドが考慮されないことがあります。特定の商品やサービスが季節に左右される場合、データ分析において季節要因を無視すると誤った結論につながります。トレンドや社会的な出来事も広告の成果に影響を与える可能性があるため、これらを考慮に入れることが重要です。

データの欠損

データ分析において、必要なデータが不足している場合があります。欠損したデータがあると、正確な分析が難しくなります。データ収集の段階から注意深くデータを収集し、欠損を最小限に抑えることが大切です。また、欠損データに対する適切な対応策を用意することも重要です。

データの偏り

データ分析において、データが偏っている場合があります。例えば、特定の地域や属性のユーザーからのデータが他のグループよりも多い場合、偏った結果が生まれる可能性があります。偏りを避けるために、広告キャンペーンを均等に配信し、多様なデータを収集するよう心掛けましょう。

落とし穴の例

ここでは、データ分析における具体的な落とし穴の例を紹介します。みなさんも何が落とし穴になっていたのか、考えてみてください。

あるECサイトのWEB広告キャンペーンにおいて、「どうすれば費用対効果を上げられるか」を検討していました。データを分析していると、東北地方のユーザーの広告クリック数が低い傾向がみられました。

そのため、「東北地方のユーザーに対する広告費用を削減し、他の地域に充てることで、全体の費用対効果を上げられる」という仮説を立てました。

しかし、実際に東北地方出身の方にインタビューをしてみたところ、その仮説が間違っている可能性が浮上しました。

例えば青森県では、秋はお米やりんごの収穫時期で忙しい農家が多いため、地元の飲食店なども閑散期になるそうです。

そうすると、ユーザーがその商品に興味を持っていないわけではなく、「そもそも忙しくてWEBサイトを閲覧している余裕がない」という仮説も考えられます。つまり、季節的な制約が広告クリック数に影響している可能性も考慮しなければなりません。

この事例から分かるように、データ分析だけでなく、実際のユーザーとのコミュニケーションやインタビューを通じて、背後にある要因を理解することが非常に重要です。感情や季節的な要因、地域の特性などがデータの解釈に影響を与える可能性があるからです。

データ分析は客観的な情報を提供してくれますが、その情報を適切に解釈するためには、現地のユーザーとの対話が不可欠です。

Google広告とGA4の連携によるメリット

最後に、Google広告とGoogle Analyticsを連携することによるメリットと実際の連携方法を紹介します。

連携のメリット

Google広告とGA4(Google Analytics 4)を連携させることで以下のようなメリットがあります。

1.Google 広告キャンペーン レポートで、Google 広告キャンペーンのデータを確認できる
2.ユーザー獲得レポートで、新しい Google 広告ディメンションにアクセスできる
3.アトリビューション レポートなど、広告セクションで Google 広告キャンペーンのデータを確認できる
4.Google 広告アカウントにアナリティクスのコンバージョン データをインポートできる
5.アナリティクスのオーディエンス データを使用して Google 広告のリマーケティングを強化できる

Google広告とGA4の連携は、マーケティング戦略の強化に大きく寄与します。データの活用と連携により、広告キャンペーンの効果を最大限に引き出し、費用対効果を向上させることが可能となります。連携によって得られる具体的なデータを活用する方法については以下の通りです。

  1. 広告キャンペーンの効果測定
    Google広告とGA4の連携により、広告キャンペーンの効果を詳細に測定できます。どの広告がコンバージョンに貢献しているか、どの広告グループが最も効果的かを把握することができます。これにより、無駄な広告費の削減や収益の最大化が可能です。
  2. ユーザー行動のトラッキング
    GA4と連携することでユーザーの行動をトラッキングする機能が強化され、広告からサイト訪問、コンバージョンまでのカスタマージャーニーを詳細に追跡できます。どの広告からユーザーがサイトに訪れ、どのページで離脱するかを把握し、ユーザーの行動パターンを理解することに繋がります。
  3. カスタムオーディエンスの作成
    Google広告とGA4の連携により、カスタムオーディエンスを作成し、ターゲティングを最適化できます。ユーザーの行動や属性に基づいて特定のオーディエンスを設定し、パーソナライズされた広告を配信することで、収益向上やコンバージョン率の向上が期待できます。
  4. リマーケティング戦略の強化
    GA4のオーディエンスデータを活用して、リマーケティング戦略を強化することができます。過去のユーザー行動に基づいて、関連性の高い広告を配信し、再度サイトに訪れてコンバージョンを達成する可能性を高めることが効果的です。
  5. データに基づく改善サイクル
    得られたデータをもとに、改善サイクルを確立することが実は最も重要です。仮説を立て、検証を行い、データを評価し、戦略を改善するプロセスを継続的に実施し、広告キャンペーンの効果を向上させていくことができます。時代や環境の変化に対応するために、データに基づく柔軟なアプローチが重要です。

Google広告とGA4の連携により、マーケティング戦略の最適化とデータに基づく意思決定が容易になります。この連携を通じて、広告の費用対効果を向上させ、ビジネスに効果的に活用していきましょう。

連携方法

Google広告とGA4を連携させる方法は公式ページに詳しく記載されています。以下のリンクから詳細情報を確認できます。

Google 広告とアナリティクスをリンクする

まとめ

Google広告とGA4の連携は、マーケティング戦略の強化とデータ活用の面で多くのメリットをもたらします。データドリブンなマーケティングと仮説検証の重要性を認識し、Google広告とGA4の連携を活用して、データに基づくマーケティングを行いましょう。

ビジネス環境が変化し続ける中で、データに裏打ちされた戦略が競争力の源となります。Google広告とGA4の連携は、その戦略の中心に立つ強力なツールと言えます。ぜひ、この連携を活用して、マーケティングの成功に向けて前進しましょう。

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