カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いとは?
デジタルマーケティング
2022.10.21
カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがあると思います。また一方でカスタマーサポートという言葉もあります。この2つはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、カスタマーサクセスの重要性も踏まえながら、その違いについて説明していきます。
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスとは、顧客に成功体験をしてもらい、顧客満足度を向上させてサービスを解約しないで、続けてもらうことを目的にした活動です。顧客生涯価値の最大化を目的としており、サブスクリプション型のビジネスモデルが増えてきている中で、導入している企業が増えてきています。
カスタマーサクセスの重要性
カスタマーサクセスが重要になってきた理由としては、1つには先ほど述べた通りサブスクリプション型のビジネスモデルが増えてきたことが挙げられます。サブスクリプション型のビジネスモデルの場合、継続してもらう必要性があります。
買い切りと違い、毎月の支払いは安く抑えられているため、企業側として、継続してもらわなければ収益が上がっていきません。解約されないためにも、顧客に成功体験をしてもらうようにカスタマーサクセスが必要になっているわけです。
また商品やサービスだけでは差別化が難しくなっており、それ以上の付加価値が必要になってきます。そのためサービスや商品を購入した後に、顧客がファンになってくれるようなカスタマーサクセスが必要になってくるわけです。
こうした体験を重視するサービスは増えてきており、ただモノやサービスを提供するだけでは、売上が伸びていかないという現状があるわけです。
カスタマーサクセスの役割
カスタマーサクセスの役割としては、顧客体験の価値を高めることにあります。顧客体験を高めることで、新規顧客獲得につながります。また既存顧客に対してはリピートをしてくれるように、アプローチしなければなりません。そうした役割をカスタマーサクセスが担います。
さらに顧客との接触頻度が増すことで、顧客のニーズが把握できます。顧客のニーズを把握できれば、既存のサービスや商品の改善や、新しい商品の開発に顧客の声を生かせるでしょう。
カスタマーサポートとの違いとは
カスタマーサクセスと比較される役割として、カスタマーサポートがあります。カスタマーサポートは顧客の困っていることを解決することが目的であり、カスタマーサクセスとは大きな違いがあるのです。ここではその違いについて3つ説明します。
カスタマーサポートは顧客の不満の解決が目的
カスタマーサポートとカスタマーサクセスは目的が大きく違います。カスタマサポートの場合は顧客の不満を解決するのが目的です。基本的にカスタマーサポートは、サービスや商品を購入した後に顧客が問い合わせをして、それを解決する役割です。
一方カスタマーサクセスは、顧客の成功が目的になります。そのため不満を持たないように顧客満足度を向上させる必要があるわけです。このように目的が違うため、カスタマーサポートは顧客との関係が短期的なものになります。それに比べ、カスタマーサクセスの場合は長期的に顧客と関わっていく必要があります。
カスタマーサポートは顧客の不満を迅速に解決するのが成果指標
カスタマーサポートとカスタマーサクセスは成果指標も違います。カスタマーサポートの場合は不満を感じる顧客が問い合わせをしてきているため、迅速に解決する必要があります。どれだけ早く顧客問題を解決してもらうのか、それが非常に重要になるわけです。
一方カスタマーサクセスの場合、顧客満足度を向上させ、商品やサービスを長く使ってもらうことが目的になります。また1つのサービスや商品だけでなく、別のサービスや商品も購入してもらえるようにするクロスセルや、より高価なものを購入してもらうアップセルを目指しています。その結果、LTVがどれだけ伸びたかが成果指標になるわけです。
カスタマーサポートは即座にアフターケアのできる体制が必要
カスタマーサポートは不満が出た顧客に対して対応するのが目的であるため、いかに迅速に対応できる体制を整えるかが重要になっていきます。一方カスタマーサクセスは、顧客の成功体験を支援することが目的になるため、顧客との接点を用いながら、顧客が不満を持たないようにしていかなければなりません。
カスタマーサクセスの場合、顧客を支援し続けられる体制を作る必要があるわけです。
カスタマーサクセスを導入するメリット
前述したカスタマーサクセスの役割を果たすことで、顧客満足度が向上し、リピーターが増えたり、新規顧客が獲得できたりします。またロイヤルカスタマー育成にもつながり、売上アップが見込めるでしょう。
さらにロイヤルカスタマーが増えれば、競合他社との差別化にもなります。商品やサービスだけでの差別化が難しい中で、自社を選んでもらえる強みとして、カスタマーサクセスが役立つはずです。
カスタマーサクセスが重視すべき指標
カスタマーサクセスが重視すべき指標としては、以下のようなものがあります。自社のカスタマーサクセスを成功に導くために必要な指標を使っていきましょう。
LTV(顧客生涯価値)
LTVはLife Time Valueの略で、日本語では顧客生涯価値と言います。1顧客が自社のサービスや商品を購入して、どれくらいの利益をもたらすのかを示す指標です。LTVは一般的に以下の計算式を用います。
LTV = 顧客単価 × 購入頻度 × 継続する期間
既存顧客がリピートしてくれた方が、新規顧客を獲得するよりもコストが安いため、LTVを高める必要があります。
NPS(顧客推奨度)
NPSは顧客推奨度とも言われ、顧客がサービスや商品、または企業をどれくらい他の人に勧めたいかの度合いを示したものです。どれくらい勧めたいかの度合いを、0〜10の数値で評価してもらいます。カスタマーサクセスはこの数値をいかに高めるかが役割になります。
NRR(売上継続率)
NRRは売上継続率とも言われ、サブスクリプションモデルでは重要な指標のひとつです。100%を超えていれば、売上継続率が伸びていると考えられ、既存顧客の売上が伸びていると判断できます。
アップセル・クロスセル率
アップセルはワンランク上のサービスや商品を購入してもらうこと、クロスセルは現在のサービスや商品に追加して別のサービスや商品を利用してもらうことです。これらの割合が高まることで、顧客単価が向上します。そのためには、カスタマーサクセスが的確に顧客の声を聞き取り、アプローチしていかなければなりません。
解約率
解約率はサブスクリプションモデルでは重要な指標で、解約した顧客の割合を示す数値です。解約率が低くなるように、既存顧客が継続してサービスを利用してくれるアプローチが必要になってきます。
アクティブユーザー数
アクティブユーザー数も重要な指標のひとつです。サービスを契約しても、利用していなければ長期的に利益をもたらしてくれません。アクティブユーザー数が増えるように、カスタマーサクセスが、顧客に対してアプローチしていく必要があるでしょう。
オンボーディング完了率
オンボーディング完了とは、顧客がサービスを契約してから、実際に使用して継続利用が見込まれる状態のことをいいます。オンボーディング完了の状態になるためには、サービスの利用の仕方や価値について理解している必要があります。
こうしたオンボーディングが完了した割合を示すのが、オンボーディング完了率です。「導入から1か月以内に初期設定を完了する」「1か月以内に〇回ログインする」などの目標を設定し、全顧客の中でどれくらいの割合の人が達成できたのかを見ていきます。
オンボーディング完了率を高めていくためには、導入初期の段階で、カスタマーサクセスが積極的に顧客に働きかけていく必要があるでしょう。
カスタマーサクセスを導入すべきケース
カスタマーサクセスはサブスクリプションモデルやリピーターが多い商品やサービスに有効です。まだ導入していない場合、集客コストとLTVを上げるコストとの比較が必要になります。
たとえば顧客獲得コストが100万円かかる場合、それよりも安くカスタマーサクセスを運用できるのであれば、導入した方がよいでしょう。また既存の部署がすでにLTV向上の取り組みをしている場合、その部署の一部をカスタマーサクセスとして独立させる方法もあります。そうすることで導入コストは下がると考えられます。
カスタマーサクセスを導入して売上アップを
現在のビジネス環境において、カスタマーサクセスの役割は非常に重要です。そのため多くの企業で導入しています。顧客満足度を向上し、売上をアップするためにも、カスタマーサクセスを導入していきましょう。
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