CRO(コンバージョン率最適化)とは?実施方法と流れについて解説
デジタルマーケティング
2022.07.07

CROとは「Conversion Rate Optimization」の略で、日本語ではコンバージョン率最適化と言います。コンバージョン率最適化は、収益を上げるために非常に重要な施策の1つです。そこでこの記事ではコンバージョン率最適化のために必要な施策や流れ、さらにはうまくいくためのポイントについて説明します。
CRO(コンバージョン率最適化)とは
ウェブサイトの目的はPVを集めることではありません。ウェブページを閲覧したユーザが、商品を購入したり資料をダウンロードしたりする行動をすることで、はじめてウェブページの目的が果たされます。こうしたアクションをコンバージョンといいます。
そのためコンバージョン率は目的に対して、どれだけ成果が上がったかを見る指標になるわけです。コンバージョン率はサイトの訪問者数でコンバージョン数を割ることで求められます。つまりどれだけウェブサイトを訪れた人の中からコンバージョンしたかがコンバージョン率になります。
コンバージョン率最適化とは、こうしたアクションの割合を高める施策になるわけです。
なぜCRO(コンバージョン率最適化)が必要なのか
コンバージョン率の最適化によって、集客に関する費用対効果を高められます。コンバージョン率がアップすれば広告費は抑えられますし、広告費をかけずにwebのみで集客することも可能です。限られた費用の中で効率的に集客することが求められているわけです。
コンバージョン率が低い場合、コンバージョンしない理由がウェブサイトにある可能性が高いです。そうした問題点を改善しなければ、今後も利益を増やしていけません。コロナ禍を経て、ますますウェブ利用者が増えている中で、コンバージョン率の最適化の重要度が増しているわけです。
CRO(コンバージョン率最適化)のメリット
コンバージョン率が向上することで、訪問者数が同じでも売上が増加し、ビジネスの成長を促進することができます。また、広告費などの費用対効果を高め、限られた予算の中でより効率的な集客を実現できる点も大きなメリットです。
さらに、ユーザーエクスペリエンスを改善することで顧客満足度を高めることができます。快適にウェブサイトを利用できるようになれば、顧客はより積極的にサイトと関わり、コンバージョンにつながる可能性が高まります。そして、使いやすいウェブサイトは、企業の信頼性を高め、ブランドイメージ向上にも貢献します。
競争の激しい現代において、コンバージョン率の高いウェブサイトは、競合との差別化に役立ちます。顧客は、使いやすく、魅力的なウェブサイトを持つ企業を選ぶ傾向があります。このように、CROは、売上増加、費用対効果向上、顧客満足度向上、ブランドイメージ向上、競争力強化など、多岐にわたるメリットをもたらします。
CRO(コンバージョン率最適化)の施策
コンバージョン率を最適化するためには、どのような施策を行えばよいでしょうか。まず以下の点をチェックします。
エントリーフォームの見直し
エントリーフォームが入力しやすいかどうかによって、コンバージョン率は大きく変わります。エントリーフォームを改善する場合、エントリーフォームの項目数をまず考えなければなりません。必要のない項目は削除し、入力にストレスがない状態にしていく必要があります。
またエントリーフォームにおいては、ユーザーが最後まで入力しやすいような工夫が必要です。たとえば入力完了までどのようなステップが必要なのか画面上に表示したり、どの項目は必須でどの任意なのかわかりやすく表示します。記入例もあるとよいでしょう。さらに基本的なことですか、エントリーフォームに他のページに飛べるようなリンクを置くべきではありません。リンクがあると離脱するきっかけを与えてしまいます。
また入力補助やエラーチェックがあると、さらにユーザーにとって入力しやすいエントリーホームになるでしょう。エントリーフォームの項目の順番によってもコンバージョンも変わることがあるので、入力しやすいものから順番に項目を並べるようにしましょう。
CTAの変更
コンバージョン率を改善するためには、どのようなボタンを設置するかが重要です。よく言われることですが、一般的に「購入はこちら」よりも「資料請求」の方が、コンバージョン率が上がります。しかしこれも商品によるので一概にすべて「資料請求」がよいというわけではありません。
また文言だけでなく、色によっても反応率が変わります。ただ「この色の方が反応率は高い」と決まっているわけではありません。テストをしながら、よりコンバージョン率が高い色を探していく必要があるでしょう。
LPO
ランディングページを改善することで、コンバージョン率が向上します。LPは入り口でもあるので、直帰率が60%を超えるようであれば、LPを見直すようにしましょう。LPの見直しは一回すれば終わりというわけではありません。
今までよりもコンバージョン率が高くなるように、PDCAをくり返しましょう。
CRO(コンバージョン率最適化)の流れ
コンバージョン率の最適化は以下の流れで行ってきます。
責任者を決定する
コンバージョン率を最適化するためにはまず責任者を決定する必要があります。その責任者の下、コンバージョン率最適化の施策を行いましょう。
予算を決定する
コンバージョン率最適化の施策を継続的に行うためには、適切な予算が必要です。長期的に実施していくことを前提に予算を確保しましょう。
人材を確保する
リーダーが決定したら、プロジェクトを進めるためのメンバーを確保しなければなりません。コンバージョン率の最適化は、1回やって終わりではありません。継続的に行っていかなければならないため、予算内で継続できる人数を確保していきましょう。
仮説を立てる
コンバージョン率最適化を行うためには、仮説を立てて仮説のもとに施策を実行していく必要があります。仮説はPV数(ページの表示回数)、コンバージョン数、UU数(ユニークユーザーの数)、直帰率などのデータをもとに立てなければなりません。またアンケート等があれば、それもデータとして取り入れます。
より正しい仮説を立てることが重要で、この仮説が間違っていると施策自体も間違ってしまい、結果としてコンバージョン率の改善に時間がかかってしまいます。データをしっかり分析して仮説を立てるようにしましょう。
テストを行う
仮説を立てた後は、仮説のテストをしなければなりません。テストとしてよく行われているのはA/Bテストです。AとB 2つのパターンを用意し、どちらがコンバージョン率最適化につながるのか比較するというやり方です。
先ほども説明した通り、文言やボタンの色でコンバージョン率は変化します。そうした違ったパターンを用意して比較していきましょう。
データの分析をする
テストを実施したら、そのテスト結果のデータを検証します。改善前と改善後でデータがどのように変わるのか、分析するわけです。また仮説とどのような違いがあるのか検証していく必要があります。
分析結果をもとに改善策を考えて実施する
データの分析を行ったら、その結果をもとに改善策を実施していきます。仮説と同じ結果が得られれば、その改善策を実施していきます。またコンバージョン率の最適化は1回で終わりではありません。さらによい結果が得られそうな仮説をまた立てなければなりません。そのためさらによい結果が得られるための施策を考えていきましょう。
CRO(コンバージョン率最適化)がうまくいくポイント
コンバージョン率最適化がうまくいくためのポイントは以下の2つです。
短期的な成果を期待しない
コンバージョン率最適化を成功させるためには短期的な成果を期待しないことです。1回の施策でコンバージョン率が劇的に改善することはありません。またウェブの環境は日々変化しているため、徐々にコンバージョン率が下がっていくこともよくあります。短期的な成果を望まずに、長期的にどの程度のコンバージョン率を実現したいのか、明確な目標を立てて実施していきましょう。
仮説・検証の流れを明確にする
コンバージョン率最適化は長期的な施策になります。ただし仮説・検証という流れがしっかりとできていないと、ただ無駄な施策を繰り返すだけになります。コンバージョン率最適化では、仮説が非常に重要です。どこまで正しい仮説を継続的に出せるのか、仮説・検証の流れを明確にしていきましょう。
それでもある時点で仮説が出ない状況になるかもしれません。その場合はコンバージョン率最適化の優先順位をさげて、別の施策を実施していきましょう。
CRO(コンバージョン率最適化)ツール
CROを効率的に行うためには、専用のツールを活用することが有効です。
ウェブサイトへのアクセス状況を分析し、ユーザーの行動を把握できるアクセス解析ツール、ユーザーのサイト内での行動を視覚的に把握できるヒートマップツール、複数のページを比較し、効果的なページを特定できるA/Bテストツールなど、様々なツールがあります。
さらに、入力フォームの使いやすさを改善し、離脱率を減らすことができる入力フォーム最適化(EFO)ツールや、ユーザーに合わせたコンテンツを表示することで、コンバージョン率を高めることができるパーソナライゼーションツールなど、CROに特化したツールも数多く存在します。
CRO(コンバージョン率最適化)の事例
具体的なCROの事例をいくつか紹介します。
ECサイトでは、商品ページのデザインや商品説明を改善することで購入率を向上させることができます。例えば、商品画像を大きく見やすくしたり、商品説明をより詳細にしたり、関連商品を表示したりすることで、ユーザーの購買意欲を高めることができます。
コーポレートサイトでは、資料請求フォームの入力項目を減らすことで資料請求数を増加させることができます。入力項目が多いと、ユーザーは面倒に感じて離脱してしまう可能性があります。必要最低限の項目だけにすることで、ユーザーがフォームを最後まで入力しやすくなります。
メディアサイトでは、記事の構成や見出しを改善することでページビュー数を増加させることができます。ユーザーが興味を持ちやすい見出しをつけたり、記事を分かりやすく構成したりすることで、ユーザーの滞在時間を延ばし、ページビュー数を増やすことができます。
CRO(コンバージョン率最適化)をするためにはツールの導入もあり!
コンバージョン率の最適化を行うためには、データの収集・分析は非常に重要になってきます。自社でデータを集めても、それを分析して正しい仮説が立てられなければ意味があります。そのためデータの収集や分析にはツールの導入もひとつの選択肢です。
現在さまざまな分析ツールが出ていますので、比較・検討して導入してみることをオススメします。
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