顧客データを活用したマーケティングで差をつける方法とは

デジタルマーケティング

2023.03.06

顧客データを活用したマーケティングで差をつける方法とは

今までのように経営者の経験を生かした経営ではなく、データに基づいたデータ経営のメリットが多いため、顧客データを活用する企業が増えています。しかし顧客データをマーケティングにどのように活用すればいいのか悩んでいる経営者も多いです。

またせっかく顧客データを収集したのに、分析と活用方法がわからない企業もあります。この記事では顧客データを活用したマーケティングについて解説します。

顧客データを活用してマーケティングをするメリット

顧客データを活用してマーケティングをするメリットは、どのようなものがあるでしょうか。ここでは4つのメリットについて解説します。

データに基づいて原因を考えられる

商品やサービスを提供した際に、それが思った以上に売れなかったということもあります。その原因は単に顧客のニーズに合っていなかったというだけではありません。宣伝の方法が悪かったかもしれませんし、価格帯が合わなかったかもしれません。

また店舗での販売であれば、天候の影響もあるでしょう。このように商品やサービスが売れない原因は複数の要因が関係しています。それらの要因を分析しなければ、同じ失敗が繰り返されるでしょう。

その際に定性的に判断するだけではなく、定量的に判断する必要があります。定量的な判断をするためには顧客データが必要になってくるわけです。

各顧客に適したアプローチができる

顧客データを収集・分析できていると、各顧客の現在の状況に合わせたアプローチが可能になります。商品やサービスをリピートしてくれている人と、初めて商品やサービスを利用しようとしている人に対するアプローチは異なります。

たとえばリピーターに対しては、割引特典を設けて、ロイヤルカスタマーになってもらうという施策が考えられるでしょう。潜在顧客に対してはステップメールやメルマガでの案内が考えられます。このようにどの顧客にどのようなアプローチが必要なのかは、現在の顧客の状況をデータ化して分析しておくことで可能になります。

データに基づいて経営判断ができる

顧客データを持つことで、データに基づいた経営判断も可能になります。データ経営という言葉もあるように、売上予想もデータに基づいて行われるのが一般的になってきました。データに基づいて経営判断を行うためには、正確なデータがリアルタイムで手に入る必要があります。

顧客データを分析することで、経営判断に必要なデータが手に入ります。そのため顧客データを収集・分析するツールを導入している企業が多いです。

新規事業の立ち上げや新商品の開発につながる

顧客データを収集・分析することで、新しい顧客のニーズに気づくこともあります。そうしたニーズに応えるために、新規事業の立ち上げや新商品の開発を行うこともできます。顧客データを活用することで、企業としての新たな方向性を見いだせる可能性もあるわけです。

顧客データの収集・管理方法

顧客データは定量データと定性データに分けられ、データの収集・管理方法がちがいます。

定量データの収集・管理方法

定量データは数値化できる情報のことをいいます。定量データには、顧客の情報や行動履歴も含まれます。会員登録による顧客情報や購入履歴、選択式の顧客アンケートの結果も定量データでしょう。またウェブのアクセスログも定量データになります。

顧客データの管理は難しくありません。たとえば顧客情報であれば、エクセルで管理することも可能でしょう。しかしそれらの情報を一括で管理して、それぞれ関連付けておかなければ分析と活用ができません。そのためにはCDPのような顧客管理システムの導入も必要になります。エクセルではそうした分析と活用が難しいでしょう。

定性データの収集・管理方法

定性データは数値化するのが難しい情報のことです。顧客の声やSNSの投稿などが例としてあげられます。定性データは自由回答のアンケートやクレーム内容の収集、SNSの検索や自社アカウントに対する反応で得られます。またレビューサイトの口コミも定性データに含まれるでしょう。

他にも消費者インタビューを行うという方法もあります。定量データと合わせて分析することで、より顧客のニーズがわかるようになります。

顧客データの分析手段

顧客データの分析手段としては、以下の4つが考えられます。

セグメンテーション分析

セグメンテーション分析は顧客の年齢や性別、居住地などで顧客をグルーピングする方法です。国や地域などの地理的変数、年齢や性別・職業などの人口動態変数、趣味嗜好などの心理的変数、購入履歴などの行動変数に基づいて分類するのが一般的です。

このようなグルーピングを行うことで、自社製品がどのような属性の顧客に売れているのかわかるようになります。一緒に購入されている商品を分析することで、顧客の共通点を見つけられる可能性もあります。

バスケット分析

バスケット分析は、ECサイトの購入履歴や実店舗のPOSデータをもとに、顧客の買い物かごの中身を分析する手法です。一緒に購入されている商品がわかれば、セット割引を行ったり、ECサイトでレコメンドしたりすることも可能です。そうすることで客単価の向上にもつながります。

RFM分析

RFM分析とは「Recency(最終購買日)」「Frequency(購買頻度)」「Money(購入金額)」を用いて分析する手法です。それぞれの指標をHigh・Middle・Lowにランク付けすることで、27のグループに分類可能。それぞれのグループごとにマーケティング戦略を考えていきます。

デシル分析

全顧客を購入金額の高い順に並べて分析する手法です。売上の高い顧客から10のグループに分けて、それぞれの売上構成比率によって優良顧客を割り出し、マーケティング戦略を考えます。たとえば上位3グループが売上の80%を占めていれば、そのグループに向けて、クーポンの配布やキャンペーンの実施を行うことで、さらに売上アップにつながる可能性が高まります。

顧客データの活用方法

顧客データの活用方法としては以下の3つが考えられます。

クロスセルやアップセルを狙う

アップセルは今よりも上位のサービスや商品を購入してもらうことで、クロスセルは別の商品やサービスをセットで購入してもらうことです。どちらも客単価をアップするための方法です。

顧客データを分析することで、どの商品がセットで購入されているかわかるため、レコメンドすることでクロスセルが実現できます。また顧客データに基づいてどのような顧客がどのようなサービスや商品を好むかが分かれば、アップセルの実現も可能でしょう。

ロイヤルカスタマーを増やす

顧客データを分析することで、各顧客に合ったマーケティングが実現できます。そうすることで、ロイヤルカスタマーを増やすこともできます。ロイヤルカスタマーが増えれば、売上を伸ばすことも可能です。また新規顧客を増やすよりもコストがかかりません。

既存サービスの改善や新サービスの開発につなげる

顧客データの分析は既存サービスの改善に結びつきます。たとえばクレームを分析すれば、どのような点に不満を抱いているかわかり、改善点がわかるはずです。また顧客の声を分析することで、どのようなサービスが必要なのか、新サービスの開発にもつなげられるでしょう。

顧客データを活用する際の注意点

顧客データを活用する際の注意点は以下の4つです。

データ収集の目的をはっきりさせる

顧客データを活用することで、さまざまなメリットがありますが、ただデータを集めるだけでは、マーケティングに生かすことはできません。何のためにデータを収集してどのように活用したいのか、明確にしていく必要があります。目的がはっきりすれば、その成果も共有しやすくなるでしょう。

データを統合してシステムで分析・管理する

データは一元管理できなければ、活用はできません。そのためデータを統合するシステムの導入が必須です。CDPなどの顧客管理システムを導入して、いつでもリアルタイムでデータが確認できるようにしましょう。

個人情報の管理に気をつける

顧客データは個人情報です。そのため個人情報の管理をしっかりと行わなければ、企業としての信頼感の低下に結びつきます。個人情報の管理には、システムを整えるだけでなく、各従業員の意識も大事です。個人情報の管理に関する意識を高めるような社員教育もしていきましょう。

データ活用をした結果についても分析する

データの分析をしっかりと行えば、うまく活用できるというわけではありません。またデータ活用することが目的ではなく、データ活用をすることで成果をあげなければ意味がありません。そのためにはデータ活用をした結果についても分析する必要があります。PDCAを繰り返して、より成果をあげられるようにしていきましょう。

顧客データを活用して根拠ある経営を!

顧客データを活用することで、根拠あるマーケティングが実現できます。それだけでなく、経営そのものもデータに基づいて行え、失敗した原因も分析可能です。今までのように経営者の経験や勘ではうまくいかないケースが増えています。データに基づいて根拠ある経営を行っていきましょう。