コンタクトセンターとコールセンターの違いとは?

電話問い合わせ

2023.01.24

コンタクトセンターとコールセンターの違いとは?

コンタクトセンターが重要だと言われるようになってきました。コンタクトセンターは顧客対応の窓口だという認識がある人は多いはずですが、ではコールセンターとどのように違うのでしょうか。またなぜコンタクトセンターが必要とされるようになったのでしょうか。

ここでは、コンタクトセンターとコールセンターの違いだけでなく、コンタクトセンターが必要とされるようになった理由やコンタクトセンターの役割について解説します。

コンタクトセンターとは

コンタクトセンターとはお客様からの問い合わせに対応する部署です。昨今では電話だけでなく、メールやSNSなど、電話以外での問い合わせや顧客とのやり取りが増えたため、コンタクトセンターという名前で呼ばれるようになりました。

コンタクトセンターの役割

コンタクトセンターの役割としては主に以下の3つが考えられます。

新規顧客の獲得

コンタクトセンターは問い合わせに対応するだけでなく、SNSを運用して自社のサービスの広報を行うことも多いです。今まではインバウンド業務である一般的な問い合わせ対応、たとえば商品の不具合や使い方がわからないといった問い合わせ対応が主でした。現在はアウトバウンド業務といった発信業務を任されるようになってきています。

アウトバウンド業務は、商品やサービスの紹介だけでなく、アンケートの実施等、マーケティング部門の役割も担っています。

顧客と信頼関係を築く

コンタクトセンターは顧客と接する部署ですので、コンタクトセンターの対応によって顧客と信頼関係を築けるかどうかが決まってきます。そのため、コンタクトセンターの対応を改善し、顧客との信頼関係を構築できるようにしていく必要があるわけです。

信頼関係を築ければ、サービスや商品を購入してくれる可能性が高まります。最近ではロイヤルカスタマーを育てる必要性が言われており、サービスや商品を好きになってくれる顧客を作っていく必要性がさらに増していると言えるでしょう。

既存のサービスの改善や新規サービスに関するデータの提供

コンタクトセンターには、顧客からの問い合わせやサービスに関する要望が多いです。そうしたデータを1つにまとめて分析することで、既存のサービスをどのように改善すれば良いのか、また新規サービスとしてどのようなものをリリースすれば良いのかに関するヒントになります。

顧客の生の声は非常に重要であり、より顧客が満足できる商品やサービスを提供する際に必要なものだといえます。顧客の側からしても、自分たちの声が実際に商品やサービスに反映されていると分かれば、顧客満足度も向上するでしょう。

コンタクトセンターとコールセンターの違い

コンタクトセンターと似た言葉として、コールセンターという言葉があります。コンタクトセンターは前述した通り、電話だけでなくメールやSNSなどでも顧客対応を行います。一方、コールセンターは電話対応のみを行う部署です。

今まで電話での問い合わせが多かったため、コールセンターと呼ばれていました。しかしメールやSNSなどでの問い合わせや、顧客とのやりとりが増えてきたため、コンタクトセンターに変わってきているわけです。ただしコールセンターと呼ばれていても、コンタクトセンターと同じ業務をしている部署もあります。そのため近年ではその垣根が曖昧になってきていると考えた方が良いでしょう。

コンタクトセンターという言葉が使われるようになった理由

このように今でもコールセンターとしてコンタクトセンターと同じような業務をこなしている企業もあります。しかしコンタクトセンターという名称を使う企業が増えてきています。コンタクトセンターという言葉を使って顧客対応をするようになったのには、以下のような社会状況の変化があるからです。

顧客対応のチャネルの多様化

コンタクトセンターという言葉が使われるようになった理由としてまず考えられるのは、顧客対応のチャネルの多様化です。今までのように電話での問い合わせに対応するだけでなく、メールやチャット、SNSからの問い合わせにも対応する企業が増えています。

電話で問い合わせするほどでもない内容でも、チャットやSNSであれば気軽に質問できます。そのため今まで問い合わせをすることがなかった層とのやり取りが可能になるわけです。また企業側から情報発信を積極的に行うアウトバンド業務も行っています。

そうしたアウトバンド業務は、新規顧客の獲得や既存顧客の満足度向上に効果があります。このようにチャネルの多様化に対応することで、既存顧客だけでなく見込み客の対応もできるようになっています。

ロイヤルカスタマー育成の必要性

以前のように良い商品を作れば売れるという時代ではなくなってきています。現状、商品の差別化が難しい時代です。そのため顧客満足度を向上させ、顧客にロイヤルカスタマーになってもらわなければなりません。ロイヤルカスタマーは自社の商品やサービスを好んで購入してくれます。

そのため一人当たりの購入単価が高い場合が多いです。また自分の知り合いに商品やサービスを勧めてくれることもあるでしょう。その結果として売り上げアップにつながっていきます。また最近では、サブスクでのサービス提供も増えてきています。

サブスクの場合は、継続してサービスを利用してもらう必要があるため、ロイヤルカスタマーをいかに育成するかが非常に重要なテーマとなっているわけです。

コンタクトセンターを効率的に運用するためのシステムとは

コンタクトセンターを効率的に運用するためのシステムとしては、以下のものが考えられます。自社に必要な機能がついているシステムを導入していきましょう。

CTI

CTIとは「Computer Telephony Integration」の略で、電話とコンピューターをつなぐシステムです。CTIでは電話番号と顧客データが紐付けられるため、電話を受診した際に自動で情報を確認できます。そのためオペレーターが自分で顧客情報や顧客との過去のやり取りを調べる手間が省け、オペレーターの負担が軽減されるだけでなく、電話対応がスムーズになり、顧客満足度が向上するというメリットがあります。

また、それぞれのオペレーターの通話時間や受付件数を管理できるため、対応時間を均等に割り振ることも可能です。

ACD

ACDは「Automatic Call Distributor」の略で、着信を自動で割り振るシステムのことです。事前にルール設定ができるため、それぞれの顧客の問い合わせに適した部署に電話を回すことが可能です。そのため顧客を待たせる時間が短縮でき、顧客満足度も向上します。

またオペレーターが電話に出られない場合は、コールが鳴り続けるのではなく、かけなおしやウェブでの問い合わせを案内することも可能です。

IVR

IVRは「Interactive Voice Response」の略で、音声の自動応答の仕組みです。顧客に自分で問い合わせしたい用件の番号を選んでもらい、問い合わせ内容に適したオペレーターにつなげることが可能です。IVRを導入することで、オペレーターは問い合わせ内容を確認する手間が省け、問い合わせの解決がスムーズに行えるというメリットがあります。また待ち時間や問い合わせの解決に要する時間が短くなるため、顧客満足度も向上するといえます。

CRM

CRMとは「Customer Relationship Management」のことで、顧客情報を一元管理するシステムのことをいいます。顧客情報だけでなく、顧客との過去の対応履歴も記録されているため、オペレーターが顧客からの問い合わせにスムーズに対応できます。

その結果、業務効率化だけでなく、顧客満足度の向上につながる可能性が高いです。またCRMでメール配信やアンケートの実施ができるため、アウトバンド業務にも活用できます。

PBX

PBXとは「Private Branch eXchange」の略で、電話交換機のことです。内線や外線電話の転送ができるシステムで、導入している企業が多いです。顧客からの問い合わせを適切な部署につなげる際に用いられ、CTIやIVRとセットで活用されています。

通話記録装置

通話を記録する装置もコンタクトセンターで多く導入されています。通話を録音するメリットとしては、顧客とのやりとりを確認できることです。聞き逃したときに確認できるだけでなく、何かトラブルが起こったときに通話内容を再確認できるというメリットがあります。また通話記録を確認することで、今後の顧客対応の改善にも役立てることが可能です。

SMS送信サービス

ショートメッセージは短い文章しか送れませんが、その分コストが安く、活用している企業も多いです。ショートメッセージのリンクをクリックするだけで、オペレーターに電話をつなげられたり、リマインドのメッセージを送ったりもできます。

ショートメッセージはいつでも確認でき、開封率が高いというメリットもあります。コンタクトセンターでショートメッセージをうまく活用することで、顧客からの問い合わせを適切な窓口へ誘導できるでしょう。

VOC分析

VOCとは「Voice of Customer」の略で顧客の声のことを言います。顧客の声を分析することで、現在の商品やサービスの改善点がわかるだけでなく、新サービスのヒントにもなります。

チャットボット

チャットボットは、顧客からの問い合わせに自動で対応するシステムのことをいいます。簡単な問い合わせであれば、チャットボットで解決することも可能ですし、解決しない場合には、オペレーターへ振り分けることもできます。

チャットボットを導入することで、オペレーターへの問い合わせが減るため、オペレーターの負担軽減にもなるでしょう。またチャットボットは24時間対応可能なので、顧客がストレスなく問い合わせできるというメリットもあります。

言葉よりも顧客の要望に沿った対応が必要になる

コンタクトセンターとコールセンターの違いについて解説しましたが、言葉を変えたとしても顧客対応ができていなければ意味がありません。コンタクトセンターは顧客にチャネルの多様化に対応し、ロイヤルカスタマーの育成をしていく必要があります。

そうすることで顧客満足度の向上だけでなく、会社全体の売上アップにもつながります。コンタクトセンターで収集した顧客の声を一元管理して、社内で共有し、商品やサービスの改善に生かすようにしましょう。そのためには前述したシステムの導入も必要になります。

自社にあったコンタクトセンターの運用を!

コンタクトセンターはインバウンド業務だけでなく、アウトバンド業務も担うことが多いです。さらに他部署との連携も必要になってきます。コンタクトセンターでどこまでの業務を行うのかは企業によってさまざまです。コンタクトセンターをどのように運用するか、自社の状況に合わせて考えていくようにしましょう。そのうえで必要なシステムの導入も考えていくようにしてください。

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